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【定着率に直結】女性が多いホテル清掃員のトラブルを防ぐ方法とは
2020.02.19 ホテル全コラム ホテル経営・マネジメント 業界コラム

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ホテル清掃の管理者やリーダーの人で、スタッフの定着率の向上に頭を悩ませている人は多いのではないでしょうか。
特に女性スタッフが多い客室清掃員の定着率を改善するには、「女性同士ならではのトラブルのポイント」を把握しておく必要があるでしょう。
そこで今回は、管理者の皆様に向けてトラブルを未然に防ぐ方法を紹介していきます。

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ホテル清掃員は女性が大半!女性同士のトラブル防止は管理者の重要な責務

ホテル清掃員の約9割は女性という説もあるほど、ホテル清掃は女性メインの職場です。
そういった場所では女性同士気兼ねなく働けるというメリットがある一方で、女性同士のトラブルが発生しやすいというデメリットも考えられます。
そのような環境を放置しておくと、女性同士のトラブルによって退職するスタッフが現れないとも限りません。
トラブルの予防や事後のケアは管理者の大切な仕事だと考える必要があるでしょう。

全業界共通。女性従業員同士でよくあるトラブル事例

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実際にどのようなトラブルがあるのでしょうか。
ここではホテル清掃員だけでなく、様々な業種で働く女性から集めた事例を紹介します。

ファッションチェックや嫉妬によるトラブル

「出勤すると頭のてっぺんから爪先まで視線を感じる」と嘆く女性従業員がいます。これは男性からの視線ではなく、「同性によるファッションチェックが厳しい」という意味だそうです。
安いものを身に着けていればバカにされ、派手なものを身に着けていれば「自慢なの?」と思われてしまう……。
また、男性社員から優しくされたり、極端に言えば少し男性社員と話したりしただけでも「男に媚びている」などと嫉妬の対象になり、人間関係が悪くなった事例もあるようです。

良かれと思って言った、やったことが裏目に出た

女性同士の人付き合いの面倒なポイントとして、「立場や価値観が違う場合、発言や行動に注意しないと相手を傷つけることがある」ということを挙げる人も多いようです。
実際に、良かれと思って「こうした方が効率いいですよ」などと言ったり、仕事を手伝ったりしたことが、相手を傷つけてトラブルになる事例もあるようです。
立場や価値観が違うと、仕事に関する意見や考え方も違う可能性があります。
そういった誤解が埋められずにスタッフ同士が対立し、職場の雰囲気が悪くなることもゼロではありません。
また、上司が片方の意見や考え方だけを支持すると、嫉妬などが絡んで事態が悪化するおそれもあるようです。

周囲に合わせなければならない

前述の「女性同士の人付き合いのどこが面倒か?」というアンケート結果によると、「相手に合わせるのが疲れる」「周囲の悪口に付き合わなければならない雰囲気がある」「自慢話に付き合う必要がある」など、概ね「同調しなければならないことが嫌だ」という意見が多かったようです。
周囲に合わせない場合や、「悪口は良くないですよ」と否定した場合は、仲間外れにされるなどのトラブルに巻き込まれるかもしれないと不安に思って、女性たちは日々耐えている可能性があります。

女性同士のトラブルが起きにくい職場環境づくりの3つのポイント

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女性同士の間にどのようなトラブルが発生しているのかはおわかりいただけたと思います。
では、具体的にどうすればトラブルの回避やケアができるのでしょうか?

女性同士の見栄の張りあいができない環境を作る

ある家事代行サービス会社では、オフィスにスタッフのためのロッカーを意図的に用意していないそうです。
その会社ではスタッフがお客様宅へ行く際に結婚指輪以外のアクセサリーをしてはいけないルールがあるのですが、ロッカーがあるとスタッフは当然貴重品をロッカーに入れてから外出するようになります。
この結果、女性スタッフが高価なアクセサリー類を職場に持ち込み、自慢したり見栄を張りあったりする可能性があります。
それが嫉妬を生み、職場の人間同士が崩れてしまうおそれがあるため、敢えてロッカーを置かないという決断をしたとのことです。
ロッカーがなければ貴重品を職場に持ち込むのを避けるようになるので、「見栄の張りあい」というトラブルの種が1つ減ります。
家事代行サービスも客室清掃と同じく女性スタッフの多い仕事です。
客室清掃員をまとめる管理者が参考にできる部分を見つることができるかもしれません。

片方だけの意見を採用しない

女性同士で意見が食い違ったときは、両方の意見をしっかり聞いてから対処するようにしましょう。
例えばAさんとBさんで仕事のやり方に関する意見が食い違った場合、どちらか一方の意見だけを採用すると、採用されなかった方は「えこひいきだ!」と感じてしまうおそれがあります。
解決策としては、両方の意見の折衷案を採用するという方法があります。

もし折衷案が思いつかない場合は、「今週はAさんのやり方でやってみて、来週はBさんのやり方でやってみよう」と、時期をずらして両方を試すという方法も良いかもしれません。
どうしても片方の意見しか採用できない場合は、「Aさんのやり方なら時間を何分短縮できる」「Bさんのやり方ならコストを何円削減できる」など、具体的な数字に基づいて判断するのがいいでしょう。
特に管理者が男性の場合、どちらか片方だけの意見を採用してしまうと、採用されなかった方は「管理者が男だから、相手は媚を売っている」と考えて、問題がややこしくなるおそれがあります。
両方の意見を平等に聞き、平等に接することを心がけてください。

否定・説教・真相の追求をしない

例えばAさんがBさんを嫌いな場合、AさんはBさんを嫌っていることに罪悪感を持つことを避けるために、「Bさんが私を嫌いなのだ」と相手のせいにすることがあります。
これは自己防衛の一種であり、無意識に行われるため、他人から指摘されても気づかない可能性があります。
このため、Aさんが上司に「Bさんが私のことを嫌っていて仕事に支障が出ている」と相談したときに、上司から「君の方がBさんを嫌っているのでは?」と真相を言われても、Aさんは自覚できないのです。
むしろAさんは「上司は私の話を聞いてくれない」と傷ついて、仕事を辞めてしまうかもしれません。

また、「大人なのだから好き嫌いで仕事をするな」と説教をしても、同じ結果になる可能性があります。
この場合は、「なぜBさんが自分を嫌っていると思うのか?」「話し方が厳しいのか、態度が厳しいのか?」などを問いかけてあげてください。
そのうえで「そうか、話し方が厳しいのか。あなたが傷ついているのは確かだから、今後は注意して見ておくよ」などと丁寧に対応してあげましょう。
とにかく話を親身に聞いてあげて、相手の言葉を否定しないことが大切です。トラブル例で述べたように、女性は相手を否定することを避けてでも同調し、無理に付き合う傾向があります。
そこまでして頑張っている女性が上司から否定されると、大きく傷ついてしまうかもしれません。
言葉には十分注意する必要があるでしょう。

トラブル回避のために対人スキルを身につけよう

誰かを不利に扱ってしまうと「えこひいき」と思われることがありますし、否定をすると「上司はわかってくれない」と落ち込むおそれがあり、それが離職に繋がるかもしれません。
トラブルのない職場にするために、まずは「平等に扱う」「否定をしない」ことから始めてみてはいかがでしょうか。

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