オフィスやビル、公共施設など。プロのトイレ清掃マニュアルと掃除道具
2020.08.21
業界コラム
厨房、廊下、オフィスフロア、エントランスなど、清掃業務で掃除すべき場所は各現場によって様々です。そのなかでも多くの施設に設けられており、清掃スタッフの募集要件にも登場しやすいのが「トイレ清掃」です。トイレ清掃は高い清潔度が求められるだけでなく、一つの施設に複数あることも珍しくないことから、清掃業務の効率化における重要な工程でもあります。今回は、そのようなトイレ清掃の一般的なマニュアルと効率的な掃除に欠かせない道具などを紹介します。
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プロのトイレの清掃手順
プロの業者によるトイレ清掃の手順や方法は、各社によって異なります。ここでは大まかな掃除する箇所と流れを確認します。
トイレ清掃の手順1:トイレ内のチェック
清掃に着手する前にトイレの状況を確認します。具体的には大便器の詰まりや嘔吐物の有無、大便器や小便器のなど全体的な汚れの度合いをチェックします。その後、トイレ内のトイレットペーパー、ゴミ箱などを一時的に撤去した後、清掃道具を選定します(汚れの度合いによって使用する洗剤を変更します)。
トイレ清掃の手順2:ドア、壁などの拭き掃除
便器などを洗う前に、ドアや壁、照明器具などを水拭き・乾拭きなどしていきます。この段階では洗剤を使うことはありませんが、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が流行する時期や厨房のスタッフが使用するトイレでは衛生管理上、ドアノブなどを洗剤を使って綺麗にするケースもあります。また、壁などを拭く際は基本的に高いところから低い場所の順に手を付けます。
トイレ清掃の手順3:洗面台の拭き掃除
ガラスを含め、洗面台全体を拭きます。ガラスや陶器の洗面ボウルは傷つきやすいため、状況に応じてウエスやスポンジを使い分けます。最後に乾いた雑巾で水を拭き取って完了です。
トイレ清掃の手順4:小便器の掃除
スポンジと洗剤を使い、小便器を磨きます。手順は壁の拭き掃除と同様、「高いところから低い場所」です。小便器に使う洗剤は酸性が一般的です。便器の中だけでなく、側面や上部の汚れも落とし、仕上げにウエスで水拭き、乾拭きします。
トイレ清掃の手順5:大便器の掃除
大便器は便座などを解体しながら清掃を進めます。一般的な取り付け型の洗浄機能付き温水便座は、便座の横部分にボタンがあり、これを押しながら便座をスライドすれば取り外せます。大便器を磨くのに使用する洗剤は、小便器と同じ「酸性洗剤」です。日常的に清掃している場合は、極端にしつこい尿石や水垢が便器に付着していることはあまりありません。それでも汚れが溜まりやすい便器のフチなどは、ブラシを使って丁寧に掃除します。また、便座やペーパーホルダー、ドアノブなどはアルコール除菌を行うこともあります。
トイレ清掃の手順6:床の掃除
トイレの床は基本的に水拭きです。水拭きだけでは取れない汚れは、アルカリ性の洗剤を使ってスポンジなどで擦って取り除きます。
トイレ清掃の手順7:最終チェック・備品の補充
最後に清掃漏れを確認し、「手順1」で外した備品を元の場所に戻します。さらにトイレットペーパーなどが不足してれば、それらの補充も行います。
トイレ清掃の効率化と品質向上のポイント
先述したように、施設の男女トイレが複数階にあることは珍しくなく、非常に時間と手間がかかりやすい清掃場所です。そのため、大規模な施設では清掃員を「日常清掃」と「トイレ清掃」の2つのタイプに分けて、トイレ清掃専門のスタッフを確保する業者もあります。清掃業務全体の効率化に大きな影響を与えるトイレ清掃の品質向上・業務効率化のポイントを挙げていきましょう。
トイレ清掃の効率化のポイント1:適切な道具を使用する
トイレを効率的に掃除するには、清掃用具の選定がとても重要です。同程度の汚れであっても、より優れた清掃道具であれば短時間で取り除くことが可能で、さらに複数人に所持させることで良い効果を大きくしやすいのです。トイレ清掃における重要な道具である「モップ・ブラシ」と「バケツ」の選び方のポイントとおすすめの道具を紹介します。
トイレ清掃のモップ・ブラシは機能性を重視
先述のとおり、大便器・小便器はトイレ清掃のなかでも非常に手間と時間がかかる傾向があります。そこで重要なのが汚れを落とすために使うモップやブラシです。便器掃除に求められるモップ・ブラシの機能といえば、取り回しに優れて便器のフチなどの隙間も洗いやすい「扱いやすさ」、さらに洗剤が飛び散らず、便器に傷を付けにくいことなどが挙げられます。トイレ用のブラシやモップは、数多く市販されていますが、プロにおすすめなのはテラモトが2020年に新開発した「BMトイレスポンジブラシ短柄」です。その特長を以下で紹介します。
テラモトの新商品「BMトイレスポンジブラシ短柄」とは
清掃のプロ向けの用品の製造・販売のテラモトでは、2020年に「BMトイレスポンジブラシ短柄」を発売しました。清掃会社の声をもとに開発した同ブラシは、プロのトイレ清掃の品質向上、効率化の実現を助ける多くのこだわりがあります。
■BMトイレスポンジブラシ短柄の特長
従来のトイレブラシよりも柄を短縮。これによって力が伝わりやすくなり、従来よりも軽い力で汚れを落としやすくなりました。
また、従来のブラシよりもヘッドを一回り拡大。便器のフチ(便座のエンド)にもブラシが届きやすくなり、奥までしっかりと洗えます。また、誤って便器に流してしまってもヘッドが引っかかるので配管の詰まりなどの事故のリスクも低減しました。後述する仕切り付きバケツIIに収納できるので、衛生管理や持ち運びにも優れています。
関連ページ:BMトイレスポンジブラシ
■仕切りバケツIIの特長
BMトイレスポンジブラシ短柄と相性ピッタリなバケツが「仕切りバケツII」です。アウターバケツ、インナーバケツ、仕切板の構造で4分別・6分別から「4+4」、「6+4」など多彩なニーズに対応。さらに、汚れの干渉がない仕切板なので、トイレ清掃の道具で気になる「清掃後の道具」の取扱いも簡単です。もちろん、バケツとしても使えるので、便器掃除時のウエスの汚れを取る作業も捗るのではないでしょうか。
関連ページ:仕切付きバケツII
IoTでもトイレ清掃の効率化を
トイレの巡回清掃の効率化を、IoTを駆使して実現する動きが強まっています。テラモトでも2020年から新たにビルメンテナンス・清掃業者に向けたIoTサービスの提供を始めました。例えば、トイレ清掃で以外と時間をとられがちな「使用中の個室の待ち時間」を短縮するために、あらかじめ設置されたセンサーにより利用状況を把握し、ベストなタイミングで清掃を始められるようになります。また、利用時間もすぐに分かるので体調不良者などの早期発見にもつながります。
このようにトイレ清掃は道具やシステムなどの導入によって、効率化できる余地は十分に残っているといえるでしょう。人材不足が課題になって久しい清掃業界は、まずトイレの効率化について考えてみてはいかがでしょうか。