家庭と企業の防災用備品ってなにが違うの?平常時から災害に備えるためのポイント
2020.07.14
業界コラム
みなさんのご家庭や勤務先に防災グッズはあるでしょうか。もしもない場合は、速やかに防災グッズを揃えることをおすすめします。そうすることで過酷な状況に追い込まれたとき、自らの命と健康を守り、心の支えになるからです。一方、具体的に何を用意すれば良いのかわからず二の足を踏む人も少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、「家庭向け」と「企業向け」に分け、それぞれに必要な防災グッズについて詳細に解説します。近年は大規模な災害が続いているので、自分事として万全の準備をしましょう。
家庭・企業で高まる「防災意識」
近年、日本では大規模災害が頻発しています。地震・津波・大雨洪水・台風・土砂災害・河川の氾濫など枚挙に暇がありません。そのような状況下で2020年に世界的な感染症の流行によって、家庭・企業および日本全体で急速に防災意識が高まっているのです。
実際、防災意識の向上を示唆するアンケート結果があります。全国の20歳から69歳の男女、400名を対象にした調査ですが、その中で「直近1年で災害への意識が変化」した人が全体の8割に上ったのです。また、お住まいのマンションに対しての防災対策強化の要望が多く、約7割の人がマンションの衛生対策に不安を感じているようでした。
一方で、感染症の蔓延がアンケート結果を一時的に顕著なものにしているのではないかと感じる人もいるかもしれません。確かにそのような側面もあるかもしれませんが、感染症蔓延前にも日本人の防災意識は高まっていたのです。その根拠として、2019年に全国の男女500名を対象としたアンケート結果があります。これによると、「今後の災害増加や被害拡大を懸念する」人の割合が約90%に及んだのです。特に60代以上の女性はその意識が強く、95%以上の人が「災害に対して不安を感じている」という回答でした。このことから感染症蔓延の有無を問わず、防災意識が非常に高いと考えて良いかと思われます。
しかしながら、もっと危機感を持たなければならない事柄があります。それは「実際に防災対策を行っている人」が約4割に過ぎなかったことです。つまり過半数の人が防災意識を持ちながらも対策を講じていないのです。また、対策を講じない理由の半分以上が「具体的に何をすれば良いのかわからない」というものでした。他にも「対策のための準備が面倒」などという理由もありました。
これらの状況を考慮すると、より具体的で実践的なガイダンスが求められていることがわかります。そこで以下では、防災対策のマストアイテムである「防災グッズ」について、家庭と企業の双方で何を準備すればよいのか、具体的に列挙しました。
家庭で用意すべき防災グッズと選び方のポイント
前述したように国民の半数は防災グッズの準備をしていないと考えられます。そのような状況で、災害が発生したら冷静でいられるでしょうか。災害発生後にあわてて準備をするようでは逃げ遅れて致命傷に繋がることもありえます。また、余裕のなさから精神的負担も大きくなってしまうでしょう。こうした事態を防ぐためにも、1人につき1個は家庭に防災グッズを用意しておきましょう。
現金
携帯電話がつながらないときに、公衆電話用の硬貨が必要になります。お札だけでなく、10円玉、50円玉、100円玉を持っておきましょう。
ウェットティッシュ
水がない時に非常に役に立ちます。歯磨きの代用、食器類の洗浄などが可能です。
ロープ
屋外にテントを張る際に使用します。また、10メートル級で体重を支えられるくらいの強度のロープだと、救助や避難梯子の代用品として使用することができます。
携帯ラジオ
停電時の被災地で情報収集できます。インターネットが接続できない状況でも機能するので重宝します。また、最近では携帯電話充電機能やライト機能、助けを求めるためのブザー機能などが付属している商品もあるので、購入する際にはオプション機能を確認してみましょう。
ポリ袋
応急処置、ペットボトルがない時の水の運搬、調理、お皿の代用など汎用性が高いです。他にも簡易トイレを切らせてしまったときに代用できるので、多めに用意しておきましょう。
皮手袋
被災地ではガラス片などで手を怪我するケースが多いため、皮手袋を着用しましょう。冬場には防寒用としても使えます。購入時には、革製など頑丈なつくりのものを選んでください。
救急セット
被災地では薬品が不足することが多いです。少なくとも、自分の家族の分は用意し、常備薬がある場合は忘れずに入れておきましょう。また、怪我の手当て用として、消毒薬、脱脂綿、ガーゼ、ばんそうこう、包帯、三角巾も収納しておいてください。
簡易トイレ
非常時におけるトイレ問題は切実です。被災地の衛生環境と自分の体調を保つために必ず多めに準備しておきましょう。様々な種類がありますが、サイズはできるだけコンパクトで耐久性が高いものが好まれているようです。また、消臭効果の有無や後処理のしやすさも商品選びのポイントです。
企業で用意すべき防災備品
職場は従業員が1日の多くを過ごす場所なので、職場での被災は十分にありえます。そのため防災備品は常にストックしておくべきです。そうすることで、災害の影響で職場に残らざるをえない場合や危険を避けて社外に避難する場合に、大いに役立つと考えられます。防災備品の設置場所としては職場の玄関や各々のデスクの引き出しなど、素早く持ち出しやすいところに置くのが良いでしょう。
■企業で用意すべき防災グッズ
歩きやすい運動靴 | 寝袋 |
---|---|
LEDランタン | 非常食(2日分) |
救急セット | ヘルメット |
皮手袋 | レインコート |
水(1日2リットル×2日分) | 簡易トイレ(10枚程度) |
補足説明が必要なグッズは以下に列挙します。また、基本的には家庭で用意すべきグッズとそこまで大きな違いはありませんが、会社に寝泊まりするための寝袋は必要なのが大きな違いです。
寝袋
会社で宿泊せざるをえないときに役立ちます。寝袋には大きく分けて「封筒型」と「マミー型」の2種類がありますが、マミー型の方がおすすめです。なぜならマミー型は保温力が高くサイズもコンパクトだからです。多少窮屈ではありますが、体温の維持と持ち運びのしやすさというメリットは大きいです。
レインコート
雨天時に両手が空くようになるので便利です。また、種類としては上下セパレートタイプがおすすめです。ポンチョタイプだと下半身が濡れてしまい、体温が奪われてしまうので、防災時には適切と言えないかもしれません。
※出典:人と防災未来センター「新防災グッズチェックリスト仕上げ」
防災と復旧をセットで。ドライヤーで災害復旧を
大規模災害の勃発により、日本国内の防災意識は高まっています。その流れに沿って、国民一人ひとりが今回紹介したような防災グッズを備えておくと良いでしょう。家庭・企業の双方で適切な防災対策を講じておくことで、自身の命・健康を守ることができるのです。一方で、災害後の迅速な復旧も防災と同様に肝心です。それについては、水切り用のワイパーを常備しておくといいでしょう。テラモトでも、雨水の処理に最適な「ドライヤー」を販売しています。こちらの商品を弊社では「ドライヤー」と称していますが、いわゆる「水切り」や「ワイパー」に相当するものです。例えば、大雨・洪水などで家屋やオフィスが浸水した際は、本商品で素早く水をかき出すことが可能です。