TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

シェアオフィスのアフターコロナ対策。動向と求められるポイントとは
2020.11.04 業界コラム

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シェアオフィスという言葉がメジャーになってきました。テレワークにも利用できる時代に沿ったサービスなので、より身近な存在になったと言えるでしょう。ただ、利用者はその概要やコロナ感染のリスク等、詳細は理解できていないかもしれません。また、シェアオフィス事業者は適切な感染症対策を知りたいかと思われます。そこで本記事ではシェアオフィスの概要を説明した後、業界全体の動向や感染症対策について、経団連やシンクタンク等の情報をもとに解説します。

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シェアオフィスとは

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シェアオフィスとは起業家やフリーランス、複数社の社員等が共同で利用できるオフィススペースのことを指します。一般的なオフィスと違い、会社・業界・職種を問わず同じ場所で作業できるのが特徴です。ただ、「コワーキングスペース」「サテライトオフィス」「レンタルオフィス」など、似たようなサービスが混在しているので困惑してしまう人もいるかもしれません。ここではシェアオフィスの利用を検討している人向けに、それぞれのサービスとの比較をしていきます。

コワーキングスペースとは

シェアオフィスと似ており、様々な利用者が集まって作業する場所だという点は変わりません。ただし、シェアオフィスが黙々と作業するのに適しているのに対し、コワーキングスペースはどちらかというと利用者同士でのコミュニケーションが取りやすい傾向があります。そのため新たなビジネスの創出に適したスペースとして、今後は法人の利用が加速することが予測されます。

サテライトオフィスとは

企業の本拠から離れた場所に設置されるオフィスです。イメージとしては支店・支社に近いですが、サテライトオフィスの基本的な目的は「従業員の働き方の多様性を確保」することとされています。主なメリット・デメリットは以下の通りです。

■サテライトオフィスのメリット
・BCPの観点で、災害時のリスク分散が可能
・地方に設置した場合、賃料が安く済む
・設置場所によって従業員の通勤時間を短縮可能で、多様な人材を確保できる
・テレワークが苦手な社員が程よい緊張感で勤務できる

■サテライトオフィスのデメリット
・従業員の居住地はバラバラなので、設置場所を慎重に決める必要がある
・顧客と直接対面する営業職(特に都心への営業が多い場合)などには不向き

レンタルオフィスとは

オフィスの備品などが予め準備されており、レンタル後はすぐに業務を開始できるのが魅力のサービスです。オフィスを借りるという点はシェアオフィスと変わりません。シェアオフィスとの違いとしては、個室が多い点が挙げられます。その他、専用の固定電話の設置や、個人の備品保管も可能です。ただし、シェアオフィスよりも利用料金が高めに設定されているのがデメリットとされています。

■各オフィスサービスの特徴

特徴
シェアオフィス 純粋な仕事の作業スペースとしての意味合いが強い
コワーキングスペース 利用者同士のコミュニティ形成の場として優れている
サテライトオフィス 従業員の通勤時間を短縮し、ワークライフバランスを確保
レンタルオフィス 個室が多くサービス力が高い。ただし料金は高め。

 

増加傾向にあるシェアオフィス

近年はシェアオフィスが増加してきています。実際に2019年の某シンクタンクの調査によると、シェアオフィスやコワーキングスペースの貸床面積は数年前と比較して拡大傾向にあるのです。そしてこのような流れの背景には働き方改革や新型コロナウイルスの影響があると言われています。ここではシェアオフィスの増加に寄与している要因について順に解説していきます。

コロナ禍で急増

コロナ禍をきっかけに通勤やオフィスのあり方が見直されてきています。都心の満員電車に象徴されるような「3密」状態がクラスターとなりえるからです。また、都会の超高層ビルに位置するオフィスでは、例えばエレベーターに乗るだけでもコロナの恐怖が常に付きまとうことでしょう。このような状況への対抗策として、時差出勤、自転車通勤、テレワークなど様々な選択肢がありますが、その一つにシェアオフィスが挙げられるのです。

コロナ対策が十分に講じられているシェアオフィスであれば、作業効率向上と通勤負担の軽減などのメリットが享受できることでしょう。

働き方改革

働き方改革のポイントの1つとしてワークライフのバランスをとることがあります。具体的には残業を減らしつつ、家庭内の生活を充実させるのです。その点、シェアオフィスは業務を効率的に行うのに十分な設備と適度な緊張感がありますし、何より通勤時間が短く済みます。

シェアオフィス市場の拡大と働き方改革はセットで語られることが多いので、シェアオフィスの増加に対してある程度の相関性はあるでしょう。

ICT

ICTの発達はテレワークを後押ししていると言われています。皆さんもチャットワーク、Slack、Zoomなどを活用する機会が増えているのではないでしょうか。特にZoomについては「Zoom飲み会」が話題になるなど一度は耳にしたことがあるかと思われます。

ここではテレワーク全般を例として挙げましたが、もちろんシェアオフィスも遠隔でやりとりが可能です。シェアオフィスでは高速Wi-Fiが使えるのでこれらのICTツールを活用して、会社にいるのと同じような環境を再現できます。

選ばれるシェアオフィスとは

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注目されるシェアオフィス業界ですが、お客様に選ばれるためには適切な感染症対策が必須です。もちろんシェアオフィスが選ばれる条件としてサービス内容など様々な要因がありますが、感染症が世界的問題となっている昨今の状況を鑑みて、ここでは特に感染症対策に着目して、選ばれるオフィスの条件を説明します。

感染症対策のポイント

経団連はオフィスにおける新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを公開しています。経営トップはこれを参考にして、自社の取り組みが社会全体の感染拡大防止につながるという意識を持ち、オフィスの感染予防体制を構築しましょう。具体的には下記のポイントを守るようにしてください。

※主だった項目を紹介しているので、実施に当たっては直接ガイドラインをご覧ください。

1.従業員の健康管理(出勤前、勤務中、通勤)
出勤前には体温異常や感染時の症状がないか確認し、勤務中に体調不良になった場合には直ちに帰宅させ自宅待機に切り替えましょう。勤務中は以下を意識してください。

・石けんを使ってこまめに手洗い
・1時間に2回以上の換気
・マスク着用
・広々とした座席配置(飛沫感染防止)
・人が対面するような部分にはアクリル板などで遮蔽

なお、通勤についてはテレワーク、時差出勤、週休3日制などを使って集団感染を防ぎましょう。また、従業員の居住地域に留意しつつ、公共交通機関による通勤頻度を減らしましょう。

3.オフィス内の衛生管理
テーブル、椅子、ドアノブ、電気のスイッチ、手すり、エレベーターのボタン、ゴミ箱などの共用備品は定期的に消毒してください。トイレについては通常の清掃に加えて、多くの人が触れる箇所(個室の手すりやトイレットペーパーの蓋など)は清拭消毒を行います。また、トイレのハンドドライヤ―は利用しないようにしましょう。

4.お客様の健康管理
小売業協会のガイドラインでは、不特定多数の人々が訪れる店舗においては、「店頭」での感染拡大防止策が重要だと強調されています。これをシェアオフィス運営に置き換えた場合、エントランスでの検温システムの導入や手指のアルコール消毒などは実施したほうが良いでしょう。

※出典:一般社団法人 日本経済団体連合会「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン
※出典:日本小売業協会「小売業の店舗における新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン

シェアオフィス大手の動向を知り、適切な感染対策を!

本記事では経団連のガイドラインなどを参考に感染症対策をまとめてきましたが、必要となる具体的な備品などには触れていません。そこで弊社の別記事では、エリア別(エントランス、受付、トイレ等)に必要な商品を紹介していますので、シェアオフィス事業者の方は是非ご覧ください。働き方改革や新型コロナウイルスの影響で、今後もシェアオフィス市場は拡大する可能性がありますので、適切な衛生管理をしていきましょう。

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