TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

グリストラップの正しい掃除・清掃方法│現場におすすめの臭い対策
2021.07.28 商品紹介コラム 業界コラム

pixta_58847331_S

グリストラップ清掃は、店舗環境の良し悪しに直結します。店舗に対するお客様のイメージを保つには、こまめな清掃が欠かせません。
しかし、グリストラップの清掃には時間も労力もかかるため、従業員にとって負担になってしまうこともあるでしょう。
本記事では、グリストラップの掃除方法や、掃除の手間や時間を短縮する方法について解説します。
グリストラップ清掃のコスト削減を図りたい方は、ぜひ参考にしてください。

グリストラップ(グリーストラップ)とは

はじめに、グリストラップの役割や仕組みなど、基本をおさらいしましょう。

グリストラップの設置理由

グリストラップは、飲食店などの業務用厨房に設置されている装置で、「油水分離阻集器」とも呼ばれています。排水に含まれる残飯や油脂、野菜くずなどをせき止め、下水道への流入を防ぐ役割があります。
日本では2020年6月にHACCP(ハサップ)が施行され、2021年6月に義務化されました。
HACCPは「Hazard(危害)」「Analysis(分析)」「Critical(重要)」「Control(管理)」「Point(点)」の頭文字をとった言葉で、衛生管理の国際的なガイドラインです。
各地方自治体で工程ごとの衛生管理が義務付けられており、衛生管理や環境保護の観点からグリストラップの設置や管理も含まれています。
つまり、飲食店や一部の工場などではグリストラップの設置が義務付けられているため、従事者にはグリストラップを管理しメンテナンスするための知識が求められます。

グリストラップの仕組み

グリストラップの構造は、基本的に3つの槽に分かれており、排水から不純物を段階的に除去する仕組みになっています。
第一槽では排水中の残飯や野菜くずをバスケットで受け止め、取り除く仕組みです。細かいゴミは槽の底に沈殿します。
第二槽は、水と油脂を分離させる槽です。油脂は水面に浮上し、残ったゴミは汚泥として沈殿します。
第三槽では沈殿物や油脂が少なくなった排水を、トラップ管を通して下水道に流します。
グリストラップは業務用厨房に欠かせない装置ですが、放置しておくとさまざまな問題が発生するため、適切に管理しなくてはなりません。

グリストラップの使用方法

グリストラップの設置は、各自治体により指定されている排水設備指定工事店に依頼する必要があります。排水設備指定工事店は、各地域の下水道局に問い合わせることで照会することができます。
グリストラップを設置する際は、それぞれの環境や事業規模に適したタイプのものを選定し、設置方法や設置場所、使用素材なども検討する必要があります。
しかし、設置さえしてしまえば特別な管理は必要なく、こまめな掃除を行うだけで長期的に運用できます。
とはいえ、毎日の掃除や定期的なメンテナンスの作業負担が大きいため、頭を悩ませている現場も多いでしょう。
グリストラップの管理においては、掃除に伴うコストをいかに軽減するかがポイントです。

グリストラップ清掃の面倒なポイントとリスク

pixta_77813788_S
グリストラップ清掃の面倒なポイントは、きれいにするまでに時間がかかることです。
バスケットに溜まったゴミの回収は比較的短時間で行えますが、第一槽・第二槽の沈殿物や、表面の油脂の回収作業には手間がかかります。
また、営業時間外に行う作業なので、従業員に負担をかけてしまう点も課題でしょう。定期的な清掃を怠ると、グリストラップ内で油脂分や汚泥が蓄積し、詰まりや悪臭の原因になることもあります。
グリストラップは飲食店だけでなく、お弁当製造工場や給食委託会社、厨房がある学校や病院、加工食品工場など、さまざまな業態で設置が求められる設備です。悪臭は顧客や従業員にとって不快なだけでなく、衛生面の印象を損ねるため、グリストラップを清潔な状態に保つのはあらゆる業態において重要な課題といえるでしょう。
グリストラップが詰まると、汚水が逆流するリスクもあり、設備の故障や店舗全体の衛生管理に多大な影響を及ぼします。特に油脂が固まると除去が難しくなり、清掃作業がさらに困難になります。
こうしたリスクを避けるために、効率よく清掃を行ったり清掃業者に依頼したりして、設備を適切に維持することが重要です。

グリストラップのリスク

次に、グリストラップの掃除を怠った場合の具体的なリスクについて解説します。

1.悪臭(雑菌の繁殖)

ゴミや沈殿物が溜まると、やがて腐敗し悪臭を放つようになります。店内や施設内に臭いが広がるのも問題ですが、近隣住民の苦情につながるケースもあります。
たとえば、環境省でまとめられた「飲食業の方のための『臭気対策マニュアル』」では、うどん屋から出る排水の臭いが問題になった事例が紹介されています。また、寿司屋の厨房排水が排出される農業用水路で水が腐敗し、悪臭を放ったという事例もあります。
ちなみに、飲食店の臭いの発生源の21%が排水によるもので、食料品店にいたっては35%に達します(同マニュアル内のアンケート結果より)。

2.害虫やネズミの発生

生ごみや油脂を養分として、ハエやゴキブリなどの害虫やネズミが発生します。衛生的に問題があるのはもちろん、お客様から「不潔な店」というイメージを持たれやすいため、経営に悪影響を及ぼします。

3.排水管の詰まり

グリストラップ内に沈殿物や油脂が溜まりすぎると、排水管の中にスラッジ(油の塊)がたまり、悪臭を放つほか、逆流を起こす可能性があります。
また、汚れた排水が下水道に排出されるので、下流水域の汚染にもつながるでしょう。
特に近年は、各自治体で水質汚濁防止法や下水道法などの適用を強化しているので、上記のトラブルを防ぐためにもグリストラップ清掃を実施しなければなりません。

4.高額の清掃費用

日々の清掃が実施できておらず、排水管の詰まりやグリストラップの汚れがひどい場合、清掃業者に依頼することもあるでしょう。
グリストラップの清掃を業者に依頼した場合、10万円を超える費用が必要になるケースもあります。一度汚れが溜まり切った状態になると、元に戻るまで営業できないだけでなく、多大なコストもかかってしまいます。

※出典:環境省「飲食業の方のための『臭気対策マニュアル』〜地域で愛されるための悪臭対策の事例集〜

グリストラップの清掃方法

飲食店内
グリストラップの清掃は、基本的に以下の流れで行いましょう。

1.準備

掃除を始める前に手袋とマスクを着用し、悪臭や汚水に備えましょう。バケツやスコップ、使い捨てのクロスなども用意しておくと便利です。

2.バスケット内のごみ除去

グリストラップの最初の槽には、ごみを取り除くためのバスケットが付いています。これを取り出し、油脂や固形物をこそぎ取って廃棄します。

3.油脂層の除去

次に、油脂が浮いている中間槽の表面を、スコップや専用のスクレーパーで取り除きます。取った油脂は固化するため、専用の廃棄方法に従い処理しましょう。

4.汚泥の除去

最後の槽には汚泥がたまりやすいため、丁寧に除去します。残った汚泥が排水口に詰まると、さらに臭いや排水不良の原因となるため注意が必要です。

5.洗浄とすすぎ

槽内をブラシやクロスで擦り洗いし、十分にすすいでから元の状態に戻します。
グリストラップの清掃頻度は、施設の利用頻度にもよりますが、一般的にこまめな清掃が推奨されており、少なくとも1~2週間に1回程度は行いたいところです。
しかし、人手不足などさまざまな理由で、なかなか掃除にまで手が回らないケースもあるでしょう。そういった場合は、グリストラップの清掃を時短化する便利グッズの導入がおすすめです。

グリストラップの清掃を時短化する「グリスパックン」とは

テラモトではグリストラップの清掃を効率化・時短化する「グリスパックン」を販売しています。グリスパックンはトドマツを原材料とする油吸着材で、油脂や沈殿物を吸着するのが特徴です。

グリスパックン

グリストラップの掃除で特に厄介なのが、油脂・沈殿物の回収です。グリスパックンは、この作業を強力にサポートします。なお、グリスパックンは単独で使用するものではなく、他の製品と組み合わせて使うことで十分な効果を発揮します。
グリスパックンとの併用におすすめの製品を3つご紹介します。

グリスクライム

グリスクライム
グリスパックンとの併用におすすめの1つ目のアイテムは、「グリスクライム」です。グリスパックンとグリスクライムを併用することで、グリストラップの清掃作業効率が大幅に向上します。
グリスクライムは二価鉄、高炭素セラミックなどから成る水質浄化剤です。沈殿物を分解し、浮上させる作用があります。

グリス棒くん

14618-3
次におすすめなのが、「グリス棒くん」です。
グリス棒くんは、油脂などの浮遊物をすくいあげるための棒状商品です。先端に回収ネットや市販の水切りネットを取り付けて使用します。
伸縮ポール(ハイポール用ポールⅡ)にセットしてお使いいただくと、グリストラップの底が深い場合も安心です。※回収ネットは別売りです。
グリス棒くんはこちら
グリス棒くん用回収ネットはこちら

グリストラップ水切りネット

グリストラップのバスケットに取り付ける、伸縮性のある水切りネットです。調理くずをしっかりとキャッチするため、生ごみの回収が容易になり、次回以降の清掃の手間が軽減します。
グリスパックンやグリスクライム、グリス棒くんなどを組み合わせて使うといっそう効果的なので、ぜひ併せてご利用ください。
グリストラップ水切りネットはこちら

グリスパックンを使った清掃方法

グリスパックンでグリストラップを時短で清掃し、悪臭や排水管詰まりに対策する方法を解説します。はじめに以下の商品および掃除道具を用意しましょう。

・手袋
・バケツとポリ袋(回収する油脂を入れるため)
・柄杓
・グリス棒くん
・回収ネット
・ヘラ
・グリストラップ水切りネット
・グリスパックン
・グリスクライム

道具がそろったら、以下の手順で清掃を行いましょう。テラモトのYoutubeチャンネルでガイダンス動画も公開しているので、掃除方法を映像で確認したい方はそちらも併せてご覧ください。
グリスクライム、グリスパックンの使い方動画はこちら

1.手袋を着用し、バケツにポリ袋を被せましょう。破れないよう二重に被せるのがポイントです。
2.グリス棒くんに回収ネットを装着しましょう。
3.グリストラップの蓋を開け、ヘラでバスケット周囲に付着した油脂を除去しましょう。バスケット本体に溜まった油脂は、水を切ってバケツに捨てます。
4.バスケットにグリストラップ水切りネットを取り付けます。
6.槽を分けている仕切りを取り外し、槽の表面に浮上している油脂を柄杓ですくって、バケツに捨てましょう。
7.グリスパックンを槽の中に投入します。フィルムは溶けるので丸ごと入れて問題ありません。投入後はグリス棒でグリスパックンを沈めるようにすると、グリスパックンの中身が槽全体に拡がります。
8.柄杓で取り切れなかった油脂や灰汁をグリス棒くんで回収し、水を切ってからバケツに捨てましょう。
9.5分間待ち、槽内の水がきれいになったのを確認して仕切りを戻します。
11.水質改善用のグリスクライムを槽内に沈め、グリストラップの蓋を閉めます。
12.油脂などが入ったポリ袋をきちんと縛り、所定の場所に保管したら完了です。

グリスクライムの効果で約1か月間は沈殿物が浮上するので、毎日または週1回ほどグリス棒くんで回収しましょう。

グリスパックンでグリストラップの掃除が簡単に!

グリストラップの頑固な汚れに頭を悩ませていたり、人手不足などさまざまな原因でグリストラップの掃除にまで手が回らない状態にお困りの飲食店オーナーや、加工食品工場の現場ご担当者様は多いでしょう。
グリストラップを放置しておくと、さまざまな問題が生じるので、こまめな清掃が必要です。
本記事では、コスト削減しつつ時短でグリストラップを掃除する方法をご紹介しました。
グリストラップの効率的な掃除に効果的なお掃除グッズも併せて紹介しているので、グリストラップの掃除に悩んでいる方は、本記事を参考に事業所の衛生状況を見直してみてください。

本サイトではより良いサービス提供のために、Cookie情報を通してお客様の利用状況データを収集しています。同意される方は「同意する」ボタンを押してください。 同意しない方はリンク先よりオプトアウト設定をお願い致します。 収集した個人情報の取扱いについてはプライバシーポリシーよりご確認下さい。