木製、ビニル、屋外用など。ベンチの種類と素材について
2021.08.18
業界コラム
皆さんは日常生活で「ベンチ」に注目したことがあるでしょうか。ベンチは何気なく様々な場所に設置されていますが、実は街づくりに欠かせないアイテムです。最近では超高齢社会への対応策や災害時の有用性にも焦点が当てられています。
そこで本記事ではベンチの種類やそれぞれの特徴、適した利用シーンについて、国土交通省の研究結果などを交えて解説します。テラモトが販売している商品も紹介するので、ぜひご確認ください。
意外と様々!ベンチの設置効果と場所とは
一般的に、ベンチは単なる休憩場所というイメージがあるかもしれません。しかし、実際には設置する場所によって、それ以上の効果が期待できます。その効果として、主に挙げられるのが「高齢者の暮らしやすい街づくりの創造」や「災害時にかまどとして利用できる」ことです。
まず、「高齢者の暮らしやすい街づくり」に関しては、街中にベンチを設置する、あるいは既存のベンチの利用を促進する工夫をすることで、高齢者が感じる不便を解消するとされています。実際に、街のベンチが街づくりや高齢者に与える影響について調べた研究があります。この研究は2015年に国土交通省近畿地方整備局研究発表会において発表されたもので、国土交通省近畿地方整備局と京都大学大学院工学研究科・医学研究科が連携して実施されました。
■研究の概要
超高齢社会の到来へ向けて、高齢者が生活しやすい環境の整備に着目。その解決策の1つとしてベンチの設置効果に焦点を当て、65歳以上の高齢者へのアンケート(2014年10月)などを行い、ベンチ設置へのニーズや、既存ベンチの利用しやすさなどを調査した。
■研究結果
アンケート調査では、日常生活でベンチが無くて困った経験がある人が128名中55名と半数以上を占めた。また、外出先でベンチがある場所を把握したい人が約40%だった。さらに、既に公園、バス停、商店、デパート、コンビニ、マンション、お寺・神社など、街中いたるところにベンチが設置されているものの、心理的に「座りたい」と思えないベンチも存在した。
これらは研究結果の一部にすぎませんが、高齢者のベンチに対するニーズの高さが示唆されています。「閉じこもり症候群」や「廃用性症候群」が問題となっている昨今の事情を鑑みても、高齢者が外出しやすい環境を整備することは重要でしょう。
次に「災害時にかまどとして利用できる」について、これはいわゆる「かまどベンチ」によって防災対策に活用できることを示しています。かまどベンチとは、座板部分を外すことで、緊急時にかまどとして活用出来るベンチです。様々なメーカーが開発・販売しており、いずれも鍋と燃料さえあれば炊き出しを行うことができます。また、外した座板部分は引き続きベンチとして使えます。
かまどベンチは既に公共の場に導入されており、東京都公園協会のHPでは、防災機能を備えた「防災公園」において、かまどベンチが設置されていることが明記されています。また、有事の際に活用できるように、市民参加イベントとして、かまどベンチを使った炊き出し実演も行われています。
以上のように、高齢社会への対応から防災まで、ベンチの果たす役割は様々です。また、かまどベンチに限っては公園に設置されますが、基本的には屋内外問わず、色々な場所に設置されて効果を発揮しています。
ただし、ベンチの効果を最大限享受するには、種類や特徴を適切に把握し、適した場所で使うことが重要です。以下ではベンチの種類ごとに特徴や使い方を説明します。
※出典:国土交通省 近畿地方整備局「ベンチによる高齢者にやさしい街の実現に向けた研究」
木製、アルミなど。ベンチの素材の特徴
プラスチック製のベンチのメリットは「軽さ」です。また、雨に濡れても、腐ったり錆びたりする心配がないので、比較的扱いやすい素材だと言えるでしょう。ただし、軽いだけに強風には弱く、プラスチック故に紫外線の劣化にも弱いというデメリットがあります。そのため、購入の際には紫外線対策がなされているか確認するのが良いでしょう。具体的には耐候性を高める工夫(樹脂の使用など)がされているかチェックしてください。
◼️おすすめの利用シーン
・庭
・公園
・テニスコートの脇
ベンチの素材:木製
木製ベンチのメリットは「ぬくもり」や「ナチュラルな雰囲気」です。手触りや木目の美しさは他の素材よりも優れているでしょう。
一方で、水に弱い傾向があるほか、座面の木材が破損するリスクがあります。そのため、商品選びの際は、座面が厚く、耐久性を高める加工(防水加工・防腐加工)をしてある商品を選ぶことでリスクを軽減しましょう。耐久性が心配な方は、「耐荷重」を確認し、大まかな強度を確認するのがおすすめです。
◼️おすすめの利用シーン
・庭
・ベランダ
・室内
※背もたれや手すりがないような小型の商品であれば、プランター台としても活用できます。
ベンチの素材:クッション
座面がクッション(合成皮革)でできたベンチは、座り心地が優しいのがメリットです。テラモトでは特にクッション性に優れた商品として「ひといきクッションベンチ」を販売しています。奥行が非常にコンパクトで狭い場所でも使えるので、屋内のいたるところで使用することができます。
もしも屋外で使用したい場合には、「ひといきベンチ(リサイクルウッド)」という屋外用の商品も取り揃えておりますので、ニーズに応じて選択してください。
※関連記事:木製ベンチに木製ゴミ箱…。なぜ日本人は木製の備品が好きなのか
テラモトのおすすめベンチ:ハイベンチS-300
テラモトの商品の導入事例をご紹介します。「ハイベンチS-300」は屋内用のクッションタイプのベンチで、以下のような特徴を有します。
・省スペース
全体の奥行がわずか32.5㎝です。さらに足が軽く曲がる程度の高さに設計しているので、浅く腰掛けるような座り方になります。そのため、足が前に投げ出されることなく、通行トラブルを抑制します。駅や空港などで活用するのに最適です。
・高齢者に優しい
足を曲げる角度が浅いため、立ち上がる・座るという動作が容易です。また、つかみやすい手すりが付いており、立ち上がりをサポートします。基本的には世代や性別を問わずスムーズに利用できますが、首都圏新都市鉄道では、利用者の高齢化などのニーズに対応するため、ハイベンチ-S300を導入しています。
・景観にマッチするデザイン
座面と背もたれはレザー調で、高級感があります。また、別注カラーも可能なので、多様なニーズにお応えできます。
なお、ハイベンチS-300はスチール製の脚と合成皮革の座面から成る商品ですが、木製の「スタンディングレスト」という商品も取り揃えております。場所を取らずにリラックス空間を構築したいときは、テラモトのベンチ(省スペースタイプ)をご確認ください。
ベンチ選びのコツは適材適所!
今回はベンチの種類や特徴について解説しました。ありふれた存在でありながら、社会に重要なアイテムだということがご理解いただけたかと思います。また、同じベンチでも適切な設置場所や有する効果が違うので、購入の際は自身、あるいは自社のニーズと照らし合わせることをおすすめします。テラモトでは本記事でご紹介した省スペース用の商品以外にも、多様な商品をご用意しておりますので、詳しくはカタログをご確認ください。