TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

会社が社内清掃を行う目的とメリットとは?定着させるルールをつくるための3つのポイント
2021.10.13 業界コラム

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「経営の神様」と呼ばれる松下幸之助氏が、かつて社内清掃を重要視していたことをご存知でしょうか。松下氏は清掃習慣が社員の成長に貢献すると考えていたそうです。現在でも、色々な目的で社内清掃を実施する会社は少なくありません。
そこで今回は「社内清掃を行うメリット」や「定着させるためのルール作りのコツ」について解説します。朝礼後の社内清掃を検討している経営者の方々は、ぜひご確認ください。

社内清掃とは

社内清掃とは社員自らがオフィスを掃除することを指し、社内のルールとして根付いている会社もあります。一般的には、毎日の始業前に社員が集まり、それぞれの担当場所を綺麗にします。具体的な掃除場所としては下記が考えられます。

■社内清掃を実施する場所の例
・自分のデスク周り
・トイレ
・各部屋のゴミ捨て
・エントランスや応接室
・給湯室

もしも自社でクリーニングサービスの契約をしているならば、必ずしも床掃除やゴミ捨てを実施する必要はないでしょう。
一方で、オフィスの規模によっては細かいところまで業者の清掃が行き届かない場合もあります。また、デスク周りに関しては書類や資料があるので、自分たちで対応するのが適切です。社内清掃を行うメリットを理解した上で、全社員で取り組んでいきましょう。

社内清掃を行うメリット

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社内清掃を行う目的は1つではありません。社内が清潔になるという直接的なメリットだけでなく、取引先との関係を左右するなど、社内外の様々な部分に影響を及ぼします。ここでは社内清掃が果たす役割とメリットを5つ紹介します。

社員の健康が改善

朝に体を動かすことで、社員にとっては適度な運動になります。デスクワークが中心の会社であれば特に有用でしょう。

また、ホコリや塵がなくなることで、社員の体調管理にも繋がります。ホコリが堆積するとカビが発生し、気づかぬうちに社員の不定愁訴を引き起こしているケースもあるのです。定期的な清掃でその原因を断ちましょう。

社員同士のコミュニケーションを促進

社内清掃では部署の垣根を越えて社員同士が連携することになります。普段は接点のない人たちとコミュニケーションを取れるので、お互いの人柄やスキルなどが把握できます。また、清掃中にやり取りが増えることはもちろん、オフィスが綺麗になることで平常時のコミュニケーションも円滑になります。
他のメリットとしては、各掃除場所のリーダーを若手社員に任せることで、適切な指示の出し方や時間配分などを学ぶためのトレーニングの機会になります。

業務効率化

掃除を継続することで社内の4S(整理・整頓・清掃・清潔)が実現されます。必要な物がすぐに取り出せるようになるほか、すっきりとした作業環境で業務効率が向上します。
なお、現場作業がメインの職種においては、4Sの実施が労働災害の予防にも繋がります。

大掃除の手間が減る

社内清掃が習慣化することで、年末の大掃除の手間が減ります。一旦、物が散らかったり汚れが溜まってしまうと歯止めが効かなくなるものですが、毎朝の社内清掃を義務付けることで、ある程度は綺麗な状態をキープできるからです。
ちなみに、掃除する習慣は社員の生活習慣すら改善する可能性があります。例えば、会社で掃除することが当たり前になることで、自宅の掃除が苦手だった社員が綺麗好きに変わることも少なくないようです。

対外的な評価が上がる

会社の清潔感は訪問者の第一印象に直結します。エントランスはもちろん、会議室などは常に綺麗にしておきましょう。訪問時だけ掃除すれば十分だと感じられるかもしれませんが、椅子の脚や窓枠などの細かい部分は普段から掃除していないと手が回らないものです。
銀行の融資に影響する可能性もあるので、経営計画の実現のためにも普段からの清掃を徹底しておきましょう。

社内清掃を定着させるポイント

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社内清掃はメリットの多い取り組みですが、社員からすると余分な仕事だと感じてしまうことがあります。そうすると、繁忙期にはついつい業務を優先してしまうことになり、徐々に意識が薄れていきます。特に始業前のボランティアとして社内清掃を行う場合は、社員のモチベーションを維持し、定着させることは容易ではありません。
対策としては以下の3つが考えられます。

1.社内清掃を業務として義務付ける
具体的には朝礼終了後に「就業の一部」として、30分の社内清掃を行います。当然、社員にはこの間の給料も支払われます。これは日本経営品質賞を受賞した、経営コンサルティング会社の社長が自社で採用している手法です。この会社は徹底した断捨離・環境整備・清掃によって業績を伸ばしています。

2.全社員が参加する
役職に関係なく、上層部も含めて全社員が社内清掃に参加します。上層部が進んで活動することで、社員全体の士気を上げます。一方で、老舗企業では役職が上になると参加しないケースも散見されますが、社員の不満に繋がりかねないので注意しましょう。

3.社員に啓蒙・教育
社内清掃の有効性を継続的に社員に説いて、意識改革を促します。

いずれにしても、自社の状況を鑑みて、出来る範囲で対策するのがおすすめです。

社内清掃の掃除のコツ

社内清掃すべき場所として冒頭でいくつかご紹介しましたが、最後に「自分のデスク周り」、「トイレ」、「エントランス」に焦点を当てて、効果的な掃除方法を解説します。なお、共用スペースに関しては事前に担当者を決めるなどして、掃除漏れが出ないようにしましょう。

自分のデスク周り

手垢などが付着しやすい場所なので、こまめな掃除が必要です。雑巾を使って汚れを拭き取るのも良いですし、ハンディワイパーやハンディモップを活用するのも手軽で便利です。
キーボードに関してはデスク周りでも特に汚れやすい場所で、ホコリや手垢がキーボード表面や隙間に蓄積しやすいです。雑巾などでは対処が難しいので、除電ブラシでの「なで掃除」がおすすめです。

トイレ

トイレは社員だけでなく、多くの訪問者が使う場所なので、常に清潔感をキープしなければなりません。また、ウイルスや菌の温床となりえる場所なので、きちんと担当者を決めて清掃するようにしましょう。重点的に清掃するのは以下の4か所です。

1.便器
2.便座とフタ
3.床、壁
4.洗面台、鏡

これらをトイレブラシ、トイレシート、雑巾・スポンジを活用して清掃します。壁に関しては拭いても水を流してもどちらでも構いません。清掃頻度の目安は1日1回以上です。
また感染症対策として、人の指が良く触れる場所(ボタン類、トイレットペーパーホルダー、蛇口など)は乾拭きした後に、アルコール消毒をしておきましょう。

エントランス

クリーニングサービスを利用しない場合は社員自らが毎日清掃する必要があります。トイレと同じく共用スペースなので、後回しにしないよう当番制にしましょう。
床の材質に関わらず、砂やホコリなどを残らず取り除くのが基本です。マットが敷かれている場合は特に汚れがたまりやすいので、日常的に掃除機をかけるようにしましょう。

社内清掃で業務効率化を実現

今回は社内清掃の概念や実施するメリットなどを解説しました。社員の健康管理、訪問者の印象アップ、コミュニケーションの活性化など、会社にとって様々な好影響があることがご理解いただけたかと思います。

導入や実施にあたっては本記事でご紹介した「定着させるポイント」と「掃除のコツ」を意識してみてください。最初の内は億劫な行事になるかも知れませんが、いずれは習慣化し、仕事のクオリティは改善されていくでしょう。

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