ゴミの分別が必要な理由とは?分けるべきゴミの種類と意図について
2022.05.11
業界コラム
生活や仕事など、社会活動を行っているとどうしてもゴミが出てしまうものです。
特に企業規模で発生するゴミの量は一般家庭の比でなく、ゴミの排出量の削減や効率的な分別法、環境問題への取り組みなどが急務です。
本記事では、ゴミの分別が必要な理由や、ゴミを分別する効率的な方法について詳しく解説します。
ゴミの分別や削減、処理などにお困りの現場のご担当者様は、ぜひ本記事を現場の課題の達成にお役立てください。
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ゴミの分別はなぜ必要なのか
そもそも、なぜゴミを分別する必要があるのでしょうか?
ゴミを分別する理由は大きく3つあります。
1つ目は「資源の確保」。
2つ目は「焼却炉の寿命や埋立地の延命」。
最後はSDGsの12番目の目標に基づく「環境保護」です。
古紙やアルミ缶、ペットボトルなどの資源ゴミ(再生資源)は、リサイクルすることで有効に活用できます。資源の有効活用にはゴミの分別が欠かせません。
また、ゴミを分別することで余分なゴミの排出を抑えることができます。ゴミが減れば焼却炉への負担を軽減したり、埋立地を延命したりといった環境保護にもつながります。
これらはSDGsの12番目の目標に掲げられている「つくる責任 つかう責任」を達成するのに必要な取り組みでもあるのです。
ゴミを分別しないとどうなる?
ゴミの分別には相応の労力や時間、経費などのコストがかかります。管理者としてはゴミの分別に伴うコストをできるだけ削減したいところですが、もしゴミを分別しなかったら、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
温室効果ガスを排出する
ゴミを分別せずにまとめて廃棄処分すると、プラスチックなどすべてのゴミが焼却処分され、多量の温室効果ガスを排出してしまいます。
二酸化炭素や一酸化炭素、メタンガスなどを含む温室効果ガスは、地球温暖化を促進する一因と考えられています。そのため、環境保護の観点からゴミの分別が義務付けられているのです。
一般社団法人プラスチック循環利用協会によると、2020年に分別されず焼却処分されたプラスチックゴミは66万トン(全体の8%)。
また東京都環境局の資料によると、プラスチック1トンの焼却により、2.79トンのCO2を排出する(収集・運搬時のCO2排出量も含む)といわれています。
これらを合わせると、プラスチックゴミを分別しないことで年間約180万トンの二酸化炭素を排出している計算になります。
※出典:一般社団法人プラスチック循環利用協会「2020年 プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」
※出典:東京都環境局「プラスチック製容器包装」
環境汚染につながる
ゴミの処理にはさまざまな方法があります。
先述した焼却処分のほか、埋め立て処理も代表的なゴミの処理方法です。
埋め立て処理は固形廃棄物の多くに対応できるのが特徴で、埋め立て後のゴミは太陽光や微生物など自然によって分解され土に還ります。
しかし、廃棄物がどれだけの年月で土に還るかは、廃棄物の種類や自然環境によって異なります。多くの埋め立てゴミが分解されないままであるにもかかわらず、埋立地にゴミを廃棄し続けているのが現状です。
埋立地も無限にあるわけではなく、ゴミを廃棄できる量にも限界があります。そのため、将来的に日本の埋め立て地がなくなることが懸念されているのです。
もし、廃棄物処理に埋め立て処理が使用できなくなると、適切な方法で処理されない廃棄物が原因で、水質汚染や土壌汚染といった環境汚染につながるかもしれません。
こうした事態を防ぐためにも、可能な限りゴミを分別し、可能な限りゴミを減らして、資源を有効活用する必要があります。
ゴミ処理に余分な負荷がかかる
ゴミの焼却処分には、化石燃料が使用されるのが一般的です。
周知のとおり化石燃料は有限の枯渇資源であり、年々価格も高騰し続けています。
ゴミの分別により焼却処分される廃棄物の量が減少すれば、化石燃料の有効活用につながるでしょう。言い換えると、ゴミを分別しなければ、焼却処分される廃棄物の量が増え、化石燃料の無駄遣いになってしまうということでもあります。
実際、プラスチックの分別ならびにリサイクルによって、エネルギーの削減に貢献したという検証結果もあり、ゴミの分別の有効性が伺えます。
※出典:一般社団法人プラスチック循環利用協会「2020年 プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」
ゴミの種類と分別方法
ゴミを分別するためには、ゴミの種類を正しく見極める必要があります。
ここでは、ゴミの種類と分別方法について解説します。
ゴミの種類
ゴミの種類は、大きく「可燃ゴミ(燃えるゴミ)」「不燃ゴミ(燃えないゴミ)」「再生資源(資源ゴミ)」「粗大ゴミ」の4種類に分けられます。
ゴミのルールやゴミ捨てのルールなどは、各自治体により異なるため、詳しくは各自治体窓口にお問い合わせください。
また、一般家庭で出るゴミ(家庭系一般廃棄物)は、会社など事業所で発生するゴミ(事業系一般廃棄物)と区分が異なります。
事業活動で生じた廃棄物は「産業廃棄物」と定義されていますが、事業所で社員やスタッフが就業中に個人的に出したゴミは「事業系一般廃棄物」と定義されています。
ですので、窓口に問い合わせる際は「事業系一般廃棄物に関するお問い合わせ」という旨をあらかじめ伝えておくとよいでしょう。
ゴミの分別方法
事業所においてもっとも効果的かつ導入しやすいのが、各フロアや各部署に専用のゴミ箱を設置する方法です。
社員やスタッフの一人ひとりにゴミの分別に関する意識を高く持ってもらうために、教育機会を設けるのも一つの方法かもしれません。しかし、必ずしもすべてのスタッフが、マニュアルどおりにゴミを処理できるわけではありません。投じたコストに対して、あまり高いパフォーマンスを期待できないのが現実です。
「社員の意識を変える」のではなく「環境を変える」ことに注視すれば、最低限のコストで高い成果に期待できます。
各フロア・各部署に専用のゴミ箱を設置し、誰でも簡単にゴミを分別できるようにしましょう。
資源ゴミについて
資源ゴミの分別やリサイクルは、企業自身の将来的な経営や事業の継続など、実は事業の根幹に影響する重大な課題です。
実際、新型コロナウイルスの対策で、デジタル化に挑戦する企業が増えた結果、設備や機材に使用する半導体の需要が上がり、輸入量が増加したといわれています。
もし、外交問題や災害などが原因で海外からの供給がなくなれば、製品を製造することができなくなる恐れがあるのです。
2022年のロシアによるウクライナ侵攻の影響で、ロシアの資源である非鉄金属類は値段高騰の傾向にあり、自動車に使用されるアルミは2割以上、電池に使われるニッケルは2倍以上まで値上がりしました。
このように、資源を海外からの輸入に依存していると、いつまでも経営リスクを払拭することができません。有効資源を分別し、リサイクルする習慣を定着させる必要があります。
そのためにも、現場担当者はゴミを簡単に分別できる環境づくりについて検討しなければなりません。
ゴミの分別に役立つ「トラッシュボックスFTタッチレス」
社内の要所にゴミ箱を設置するなら、スマートなデザインでどんな景観にもなじみやすい「トラッシュボックスFTタッチレス」がおすすめです。
近年、新型コロナウイルスの流行により、「なるべく人との接触は避けたい」「人が触ったものは触りたくない」という考えが広まってきました。ゴミ箱はたくさんの人が触れる箇所なので、何かしらの対策を行わなければいけません。
公園に設置されているようなバケツ型のゴミ箱は、接触を避けるという意味では効果的ですが、中のゴミが外側から見えてしまうため、清潔感が損なわれてしまいます。
トラッシュボックスFTタッチレスには人感センサーが搭載されており、ゴミを持った手がふたに近づくだけで自動で開閉してくれます。人との接触を避けながら、オフィス内の清潔感を保つことが可能です。
センサーは電池で駆動するため、コンセントから遠い場所でも使用できます。電池の交換も上部の天板を外すだけで簡単に行えます。
さらにゴミの分別にも貢献し、以下の8つの分別項目に対応しています。
・一般ゴミ用
・燃えるゴミ用
・燃えないゴミ用
・ペットボトル用
・プラスチック用
・空き缶用
・空きビン用
・缶、ビン用
カラーバリエーションは「オフホワイト」と「アーバングレー」の2種類。デザイン性にこだわりつつ、効率的にゴミを分別したいとお考えの現場ご担当者様は、ぜひご検討ください。
企業がゴミを分別するメリット
ゴミを分別することで、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
具体的な3つのメリットについて解説します。
ゴミの減少に伴う省エネ
ゴミを分別するということは、資源ゴミのリサイクル率を高めるということです。
そして、リサイクル率が高まるということは、商品の生産に伴うエネルギーを削減できるということでもあります。
例えばゼロから商品を作るよりも、再生資源を利用して作ったほうが、製造に要するエネルギー量が少なくて済みます。
このように、リサイクル率の向上により生産活動に伴うエネルギーを削減することで、より効率的な社会活動あるいは持続性の高いビジネスモデルの実現に近づくことができます。
ゴミの資源化と環境保全
環境問題が世界的に注目されるようになり、企業にも環境に配慮した経営が望まれるようになりました。
環境に配慮した経営(環境配慮経営)は環境省も推奨しており、原料の調達から廃棄までの製品ライフサイクル全体における環境負荷について考える意識が、企業に求められています。
ゴミの資源化は、まさに環境に配慮した経営の第一歩といえるでしょう。
また、近年は製品やサービスを選ぶ指標において、企業の環境意識についても注目されています。ゴミの分別をはじめ、「環境に配慮した経営を行っている」と宣伝できるようになれば、消費者のみならず投資家にも支持される企業へと成長できるかもしれません。
経費削減
ゴミの処理にはお金がかかります。特に排出量の比率が大きくなりがちな燃えるゴミの中には、実はリサイクルが可能な資源ゴミが混じっている場合も。
ゴミの分別の徹底により、こうした資源ゴミを再生資源として回収できれば、相対的に燃えるゴミにかかる処理費用が軽減され、経費削減につながります。
事業規模や業種によっては、大幅なコストカットにも期待できるでしょう。
ゴミの分別は環境問題への取り組みの第一歩
企業ではたくさんの従業員が働いているだけでなく、業務に必要な書類や備品類も発生します。結果としてゴミの量も多くなってしまい、処理をするだけでも大変です。
近年では地球環境への影響を鑑みて、ゴミの分別が望まれており、企業もその流れに乗らざるを得ません。とはいえ、企業ほどのゴミの量になると、ゴミの分別を行うのは大きな負担となるでしょう。
ゴミの分別を課題として抱えている現場には、衛生的でゴミの分別にも便利な「トラッシュボックスFTタッチレス」がおすすめです。
社内の景観を保持しつつ、社員のエクスペリエンスに貢献しながら、環境保護や持続可能な社会の実現に向け、企業としての大きな課題への一歩を踏み出しませんか?