新しい防災のカタチ~「もしも」と「いつも」を分けない、フェーズフリー×防災~
2023.01.05
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日本は世界のさまざまな地域の中でも、自然災害の多い国です。
地震や台風、異常気象による風・水害など毎年大きな被害を受ける地域のニュースを目にします。
また2011年の東日本大震災以降、日本中で防災意識が高まったことも事実です。
たとえば避難用のリュックを作ったり、備蓄品を家に用意するといった個人でできること。
オフィスビルや公共施設といった場所を、避難所として運用できるように、企業や社会で行うこと。
個人から企業・団体まで、〝備える〟ことで被害をできるだけ少なくするために意識を高まってゆく中、もうひとつの新しい「防災のカタチ」が生まれています。
それが、「防災×フェーズフリー」……一体どんなカタチなのか、知ってみませんか。
フェーズフリーってどんな意味?
まずは『Phase free(フェーズフリー)』という言葉の意味をひも解いてみましょう。
『フェーズ』とは、「時期」や「状態」という意味の単語。
社会の状態・時期を「平常時」と「災害時」に分けていることを指しています。
そして『フェーズフリー』では、平常時と災害時の垣根を取り払い、いつも利用しているモノやサービスを、もしもの時(災害時)に適切に使えるようにすることを意味しています。
防災用品は日常的なものではありません。
きちんと備えられないまま災害が発生した場合、より大きな被害へと繋がってしまいます。
毎日の生活の中で便利に使えるモノが、災害時には身を守るモノになる――、こういった考えが、2014年頃から防災の専門家によって生まれました。
『フェーズフリー』という新しい防災への考え方は、社会に広がりつつあります。
新しい考え方〝防災×フェーズフリー〟を知ろう
防災に必要なものを考える時、どんなモノやサービスが思い浮かぶでしょうか。
もしも住んでいる地域が災害にあい、ライフラインが止まってしまった時に何より必要になってくる、水や食料品。
ケガをしてしまった人や、歩行移動が困難な人を無事に避難所・病院へ送り届けるための手段。
避難してきた人たちが、適切な状態で休養をとれる施設づくり。
これらはどれも「災害時」のために準備するという考え方が、これまでの防災でした。
フェーズフリーの考えでは、日常生活の中でも使えて、災害時の時にも役立つモノやサービスを増やしていくことを目指しています。
フェーズフリーが広がっていくことは、日常時・非日常のどちらの状況にあっても、生活の質をより良くしていくことに繋がると考えられています。
誰もがいつでも安心して過ごすために、求められること
「防災×フェーズフリー」の考えを実現するためには、5つの原則が当てはまるモノやサービスが求められています。
フェーズフリーの5原則
1.常活性
「いつも」「もしも」といった、どのような状況下でも適切・快適に利用できること。
フェーズフリーという考えでは必要不可欠な要素です。
2.日常性
毎日の生活の中で、モノやサービスを心地よく使える・利用できること。
モノ・サービスをフェーズフリーにする上で重要な要素です。
3.直感性
誰からみても、使用方法や消費・交換期限などが分かりやすいこと。どの様な状況下でも、すぐに使いやすい・利用しやすいようなモノ・サービスが求められます。
4.触発性
フェーズフリーなモノ・サービスを利用することで、日常の中で災害時にも活かせる「安心」や「安全」への意識を高められるようにすること。
5.普及性
フェーズフリーなモノ・サービスに対して、多くの人が気軽に情報共有したり、イベントなどに参加できるようにすること。〝防災〟という特別な意識を抱くのではなく、日々の暮らしを心地よくするモノ・サービスとして知ってもらえることが求められます。
防災×フェーズフリーはこんなにも身近なもの
実際に「防災×フェーズフリー」を日々の生活の中に取り入れてみる、とはどういったことでしょうか。
ひとつは、フェーズフリーの5原則に当てはまったモノやサービスを使うこと・広めていくこと。
もうひとつは、フェーズフリーという考え方を意識して、いつもの毎日を暮らしていくことです。
「防災×フェーズフリー」はまだまだ新しい考え方のカタチですが、実は身近なところにフェーズフリーのヒントはたくさんあるのです。
ここでは具体例の一部をピックアップしてみました。
平常時と非常時に便利に使えるモノ
オールシーズンに仕える温度調整肌着
暑い時は熱を外へと放熱し、寒い時は熱を内側に閉じ込める……そんな機能がついた肌着が開発されています。
価格帯も他のインナーとそれほど変わらず、暑い時も寒い時も快適に過ごせるといったもの。
もちろん日々の生活を快適にするだけでなく、冷暖房が使えない非常時にも役立ちます。
平常時と非常時どちらにも活かせるビジネスシューズ
長く歩いても疲れない・危険な路面でもケガをしにくいビジネスシューズが開発されています。日々の通勤や就業にも、災害時の避難でも便利に使えるモノです。
超撥水使用のエコバッグ
生活の中で欠かせないアイテムのひとつ、エコバッグ。
撥水力が高く丈夫なモノを使うことで、普段のお買い物だけでなく、非常時には水を運ぶバケツのような役割を担えます。
エコバッグだけでなく、ビジネスや普段使いにもOKなトートバッグタイプ、ジャケットがバッグに変身する様々な形態のモノが開発されています。
日常生活の中で使っているものが、防災用品に変身
テラモトで販売している防災対策用品をご紹介します。平常時と非常時どちらでも使える商品となっております。
普段の生活のなかで何気なく使っているもの・見かけるものに、防災用品をプラスすることでフェーズフリーを広めています。
エレベーター用防災キャビ 椅子型タイプ 防災用品セット付
エレベーターの角に置ける椅子型タイプの防災キャビネットです。
普段は荷物を少し置いたり、お年寄りが腰を下ろしたりできる椅子として
非常時には、エレベーター内の利用者の安心・安全を確保できるよう防災セットが備え付けられています。
※商品ページ:エレベーター用防災キャビ 椅子型タイプ 防災用品セット付
レスキューボードベンチ
普段はひと休みのために役立つベンチが、非常時には人を運ぶための担架として活躍するベンチです。災害時だけでなく、急なケガや病人が出た時にも役立ちます。
※商品ページ:レスキューボードベンチ
『防災×フェーズフリー』を知ること
『防災×フェーズフリー』には、他にもたくさんのやり方や新しい商品・サービスが生まれています。
「フェーズフリーってなんだろう?」「どんなモノやサービスがあるんだろう?」と考えておくことで、災害時、被害を防ぐことができるかもしれません。