テラモトが目指す、循環型社会への貢献 ―今までも、これからも。持続可能な社会の実現に向けた100周年プロジェクト―
2023.01.25
業界コラム
近年、二酸化炭素排出問題や、廃棄物(ゴミ)による環境破壊がよりクローズアップされています。
2015年には国連から『持続可能な開発目標(SDGs)』が宣言され、全世界で2030年までに目標を達成するという呼びかけが行われています。
いま、限りある資源と環境を守るために「循環型社会」という社会システムが求められています。
長年にわたり、清掃用品に携わってきたテラモトは「循環型社会」の実現に積極的に取り組んでいます。
循環型社会という考えは、どうやって生まれた?
「循環型社会」という言葉が社会的に使われ始めたのは、平成12年(2000年)です。
当時の社会問題のなかでも重要視されていた
・廃棄物(ゴミ)の発生量が膨大になっていたこと
・廃棄物処理場の不足
・不法投棄の増加
といった、廃棄物・リサイクル問題の解決のために整備された法律『循環型社会形成推進基本法』が公布されました。
この法律は廃棄物の処理方法や不法投棄を取り締まる目的だけでなく、
大量生産→大量消費→大量廃棄
といったサイクルの世の中を変えていくためにも作られました。
限りある資源を守り、環境へ負荷の少ない「循環型社会」をつくることによって、経済社会で発生した問題を解決しようという流れになったのです。
循環型社会のめざすもの
資源と環境を守るために構築された「循環型社会」は、具体的にどのようなことを目指すシステムでしょうか。
簡単にまとめると
・限りある資源を効率的に利用すること
・ひとつのモノを長い時間使えるようになること
・リサイクルできるものは繰り返し活用し、資源を守ること
・ゴミの量を減らすこと、どうしても出てしまうゴミは正しく処理すること
というような、経済活動のなかで資源を循環させて再利用することです。
これらをよりわかりやすくまとめたものが『3R』という考え方です。
3R(スリーアール、さんアール)とは、循環型社会をめざすために必要な3つのキーワードの頭文字を取った言葉です。
Reduce(リデュース)=減らす
Reuse(リユース)=繰り返し使う
Recycle(リサイクル)=再資源化する
『循環型社会』『3R』という言葉は、2015年に国連が提示した〝持続可能な開発目標〟とともに、認知度が広まっていきました。
企業、投資家、個人――地球の資源と環境を守るため、どのような立場であっても無関係とは言えないものになりつつあります。
テラモトの始まりは1927年
テラモトの始まりは、昭和2年(1927年)。
当時の日本は、関東大震災と第一次世界大戦後の金融恐慌の後で、慢性的な不況の最中でした。
その様な中、創業者 寺本信一郎は清掃用品の製造・販売を始めました。
当初は、ほうきや敷物など、生活の場に根付いた、使いやすく便利な清掃道具の製造・販売が中心でした。
その後、時代の変化を柔軟に取り入れながら、様々な商品が生まれました。
特に、業務用のゴミ箱、建築現場やビルメンテナンスで使われるプロ用清掃用品に関しては、多くの商品の開発が積極的に進められています。
現在(2023年)に至るまでの95年――数多くの商品が開発・販売されていますが、テラモトの中心にあるのは創業当時と変わらない〝清掃〟に関するモノやサービスです。
清掃に関わるものづくり、だからこそ
オフィス、商業・公共施設、交通機関、大学、スポーツ施設――。
多くの人々が利用する場所で使われる清掃用品やゴミ箱だからこそ、環境負荷を軽減していきたい。
テラモトは1990年代から、公共の場でのゴミ分別の推進や、再生素材を用いたものづくりに積極的に取り組んでいます。
テラモトがものづくりを通して行っている「循環型社会」のサイクルを紹介します。
ゴミの分別をしやすいこと――資源回収のスタートライン
家庭やオフィスなどから出るゴミ(一般廃棄物)の年間排出量は、約4000万トン。
もしも東京ドームが大きなゴミ箱だとしたら、3日でいっぱいになってしまう量……それが1年間続くのです。
日本のゴミの最終的な処分方法は焼却処分ですが、そのためには多大なエネルギーが必要になってきます。
人が社会生活を行うなかで、ゴミを完全にゼロにすることは厳しい目標です。
そこで重要なのは、ゴミの分別を徹底すること。
ゴミの分別を正しく行うことにより、リサイクルできる資源の量を増やせるのです。
テラモトは、1960年頃から公共の場に設置する大型ゴミ箱を製造しています。
90年代、リサイクルに関する法律が制定されてからは〝分別のしやすさ〟に着目した大型ゴミ箱の開発・販売を始めました。
公共の場で多くの人が分別しやすいゴミ箱はどんなものなのか?
を考えて生まれたのが
「分別表記がすぐにわかる視認性の高さ」
「ゴミを捨てやすい投入口」
「回収したゴミが外からも見える工夫」
を兼ね備えた、ゴミ分別容器です。
置かれる場所に溶け込みながらも、分かりやすく使いやすいものを目指すため
特注で分別容器をオーダーできるようにしました。
現場で働く人々に寄り添う
事業者や施設内で分別されたゴミは、清掃業務を行うメンテナンス業者の人々が回収します。
一般家庭のゴミとは違い、施設内の複数のゴミ箱から大量に回収を行う必要があります。
テラモトはメンテナンス業で働く方達の声を取り入れ、回収・運搬がしやすいカートを開発しています。
使用時以外は折りたたんで場所をとらないもの、軽くて丈夫なフレームを使って取り回しがしやすいもの。
多彩なバリエーションで作業性を向上することは、ものづくりを通して「循環型社会」を実現するために重要です。
再生素材を使用したものづくりで、循環してゆく
テラモトは業務用ゴミ箱や清掃用品の他にも、一般家庭向けの清掃用品やペット商品など、たくさんの商品を製造しています。
自社の工場・物流から出るゴミも決して少なくはありません。特にたくさん出てしまうのは梱包資材でした。
本来ならば廃棄される梱包資材を、テラモトは再生素材として利用することにしました。
近年開発された「再生100%ゴミ袋」は、使用済み梱包資材を100%再生し、丈夫で使いやすい製品となりました。
ゴミ袋はビルメンテナンス等では大量消費される消耗品です。
消耗品を再生素材で作ったものに置き換えてゆくことは、環境負荷を抑える効果があります。
実際に、再生素材で作られた90リットルのゴミ袋300枚を使用すると、約64.8kgのCO2を削減できました。
この削減効果は、CO2を吸収してくれる杉を約9本、10年間育てる事と同じくらいの効果なのです。
※商品ページ:エコ再生100%ゴミ袋
再生素材を使った製品は、ゴミ袋だけではありません。
清掃用品や傘立て、マット、スノコなど、消耗品以外の製品にも多くのリサイクル原料が使われています。
テラモトが作る清掃用品は、出来る限りパーツ交換のみで長く使ってもらえるような製品も多くあります。
ひとつの製品を、わずかなパーツ交換だけで末永く使ってもらえる。これも「循環型社会」への一歩です。