企業とSDGs・コスト削減。「節電」から考える私たちがオフィスでできることとは?
2023.01.11
業界コラム
近年、原油価格高騰やウクライナ情勢などの影響もあり光熱費が増大しています。
さらに、税制改正によって法人税の負担も増えており、企業にとって金銭的なリスクが高まっています。
そのため、今こそ企業は「固定費」の見直しが重要です。
ここでは、企業にとってもっとも代表的な固定費である光熱費に着目します。
電力消費の内訳や企業で実施すべき節電方法などを紹介していきます。
企業の固定費を見直したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
企業・オフィスの冬場と夏場の電力消費の内訳とは?
企業・オフィスにおける電力消費の内訳を見ていきましょう。光熱費を抑えるといっても、どの項目で電力消費量が多いのか分からなければ、効果的な取り組みは行えません。
ここでは、冬場と夏場の季節ごとに電力消費の内訳を紹介していきます。
冬場のオフィスの電力消費の内訳
冬場は照明や暖房の使用量が増えるため、日中に電力消費量が増える傾向にあります。
オフィス内も同様の傾向にあり、9時から18時ごろに電力消費量は高くなります。
オフィスビルにおける冬場の電力消費の内訳は以下の通りです。
・空調:33.5%
・照明:29.8%
・パソコン:8.6%
・複合機:9.5%
・エレベーター等:9.5%
・その他:9.1%
内訳を見て分かる通り、冬場のオフィスでは空調と照明による、電力消費量が大きな割合を占めています。
冬場は室内外問わず気温が低下するため、快適に業務を行うために暖房に頼らざるを得ません。
特に寒さが苦手な人にとっては、オフィス内の暖房が欠かせないでしょう。
こうした寒さ対策の暖房利用が、空調の電力消費量に影響を与えています。
夏場のオフィスの電力消費の内訳
夏場も冬場と同様、空調と照明による電力需要が高く、日中に電力消費量が高くなる傾向にあります。
実際、オフィスビル内においては、9時から19時ごろに電力消費量が高くなります。
オフィスビルにおける夏場の電力消費の内訳は以下の通りです。
・空調:48.6%
・照明:23.1%
・パソコン:6.6%
・複合機:7.3%
・エレベーター等:7.3%
・その他:7.0%
このように、冬場のオフィス電力消費量の内訳と同様、夏場の電力消費量の内、空調と照明が大きな割合を占めています。
節電するなら「空調・照明」から取り組みましょう
ここまでの冬場、夏場それぞれにおけるオフィスの電力消費内訳を見ても分かる通り、どちらの季節でも空調・照明が高い電力消費を必要とします。
電力消費量の内、冬場は空調と照明だけで約63%を占めており、夏場は約72%を占めています。
そのため、オフィスにて節電を取り組むのであれば、空調と照明に着目して実施するのが最も効率的です。
反対に節電目的で、業務に使用する電子機器の電源をこまめに落とす、エレベーターを使用しない、などの取り組みは期待している以上の節電効果を見込めないかもしれません。
まずは、最も大きな割合を占めている、空調・照明から節電に取り組みましょう。
企業・オフィスで検討すべき節電方法
空調・照明分野でどのような節電を行えばよいのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、企業やオフィスでまず検討すべき節電方法について紹介していきます。
最新の電化製品に切り替える
現在企業やオフィスで活用されている空調器具は、何年前から活用しているでしょうか。
もし、古い空調器具を使い続けているのであれば、最新の空調器具への交換するのもおすすめです。
正常に動作していれば電化製品は何年にわたっても活用できます。
また、新しい電化製品は非常に高価であるため、たとえ古くとも交換をしない事例も珍しくありません。
しかし、年月が経つにつれて電化製品は経年劣化を続け、消費電力も高くなっていきます。
そのため、問題なく使用できたとしても、定期的な交換が重要なのです。
さらに、最新の電化製品はその機能も高く、大きな節電効果が期待できるでしょう。
また、最新の電化製品を使用することで使用する電力が下がれば、電気の契約プランも変更できるかもしれません。
古い空調器具を最新の空調器具へ新調することで、機能向上による節電効果、契約プラン変更による費用削減を実現します。
LED照明の交換
皆さまの企業やオフィスで使用されている照明の種類は何でしょうか。
もし、白熱電球や蛍光灯が照明として使用されているのであれば、まずはLED照明に交換してみましょう。
環境省が運営するwebメディアあかり未来計画によると、電球型のLEDランプは白熱電球に比べて消費電力を約85%抑えることができるのです。
また、資源エネルギー庁によると、電球型のLEDランプは電球型蛍光ランプに比べて約25%消費電力を抑えられると示しています。
確かに本体価格に関しては、白熱電球が1つ約100円なのに対し、電球型LEDは1つ約2,000円と非常に高価な印象を受けます。
しかし、LEDはその消費電力の低さから、約9か月ほどで白熱電球のトータルコストを下回るとされています。
現在企業やオフィスで使用されている照明が、白熱電球や蛍光灯だった場合、まずはLED照明への交換を考慮してみてください。
※出典:あかり未来計画 まず知ってみよう!エコ照明の基礎知識
※出典:資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 照明
オフィスの空調・照明の節電は「いますぐできる」
企業やオフィスで節電を実施するのであれば、まずは根本的な部分から見直すのが効果的です。
電力効率の悪い製品から環境に配慮された新しい製品へと交換することで、大きな節電効果が期待できます。
とはいえ、いきなり企業・オフィス内の空調や照明を交換するのは難しい場合もあるでしょう。
実際、環境に配慮された製品は高価なことも多く、予算を確保できないのも無理はありません。
そこで、オフィス内で簡単に実施できる節電行動を紹介していきます。
※出典:資源エネルギー庁「冬季の省エネ・節電メニュー」
※出典:資源エネルギー庁「夏季の省エネ・節電メニュー」
空調節電のポイント
空調節電のポイントはフィルター掃除の徹底、室外機周辺の整理、設定温度の最適化などが挙げられます。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
フィルター掃除を徹底する
まずは、使用している空調のフィルター掃除を徹底しましょう。
空調機は空気中のほこりやゴミが内部に入り込まないようにフィルターが設けられています。
そのため、空調機を使い続けると、フィルターにはほこりやゴミが溜まってしまいます。
フィルターがほこりやゴミによって目詰まりを起こすと、空調の冷暖房の効率が下がり、消費電力も高くなってしまうのです。
2週間に一度フィルター掃除をすることで、最適な状態で空調を利用できるでしょう。
たったこれだけも、冷房時で約4%、暖房時では約6%の消費電力削減が期待されます。
室外機周辺を整理する
フィルターと同様、室外機も空調の稼働状況に大きな影響を及ぼします。
そもそも室外機とは、屋外に設置されている熱交換機です。
屋内に設置されている空調と、屋外に設置されている室外機がそれぞれ熱を交換することで、室内の温度を変化させています。
そのため、室外機が最大効率で稼働することが、空調の消費電力にも大きく関係してくるのです。
具体的なポイントとしては、室外機周辺に風通しを遮るものを設置するのは避けましょう。
室外機周辺に何か荷物や道具が設置されていると、室外機の熱交換がうまく機能できません。
室外機周辺を整理するだけでも、空調の節電効果に貢献するでしょう。
設定温度の最適化
また、最も基本的な空調の節電行動として、設定温度の最適化も挙げられます。
快適な温度で仕事を行うのも重要ですが、設定温度が過剰になっていないか確認しましょう。
具体的には、夏の冷房時の温度設定を1度高くするだけで、約13%の消費電力の削減になると言われています。
冬の場合は、暖房時の温度設定を1度低くすると、約10%の消費電力削減になります。
1度程度であれば、従業員それぞれが服装を調整するだけでも対応できるでしょう。
照明の節電ポイント
では照明の節電ポイントについても見ていきましょう。
照明の節電ポイントとしては、定期的な掃除をしてほこりを取り除く、細目に消灯するなどが挙げられます。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
定期的に掃除してほこりなどを取り除く
まずは電球や蛍光灯といった照明周辺を定期的に掃除をしてほこりを取り除きましょう。
電球や蛍光灯周りにほこりが付着するだけでも、照明の明るさは極端に低下します。
こうした照明の明かりを遮るほこりを取り除けば、1つでも十分な明るさとなり、使用する照明の量を抑えられるかもしれません。
資源エネルギー庁によると、冬に使用する照明を半分程度間引きすると約8%の節電効果が期待できると示しています。
また、夏場ではその節電効果もさらに大きく、約13%の節電効果が期待されています。
特に日中は日の光もあるため、不要な照明を使用しなければ、高い節電効果を実現できるでしょう。
細目に消灯する
最も基本的な節電行動である、細目な消灯も確実に節電効果を実現します。
資源エネルギー庁によると、使用していないエリアを消灯した場合、約3%の節電効果が期待されています。
また、白熱電球や蛍光灯は長時間の使用や、点灯と消灯を繰り返すことで消耗が早まり、買い替え頻度も高くなる恐れがあります。
これにより、電気代だけでなく本体価格も含めたトータルコストも大きくなるため、使用していない照明は細目に消灯しましょう。
テラモトおすすめの清掃道具:EFフリーフィット
最後に、空調や照明のホコリ除去に使用できる清掃道具を紹介していきます。
テラモトが販売しているEFフリーフィットはヘッド部分が自由に曲げられる仕様になったモップであり、複雑な形をした場所でも容易に掃除できます。
例えば、照明は丸い形状をしているため、ヘッド部分が固定されているモップでは、ほこりを除去しきれません。
そこで、EFフリーフィットを活用すれば、清掃箇所に適した形に変形してくれるため、効率的かつ効果的な掃除を実現します。
※商品ページ:EFフリーフィット 伸縮
空調と照明に着目し、光熱費を見直そう
冬場、夏場を問わず、企業では空調と照明の電力消費量が、全体の中で大きな割合を占めています。
そのため、光熱費削減の取り組みを実施するのであれば、まずは空調と照明に着目するのが効果的です。
使用している設備を変更する、契約している電気契約を変更するなど、根本的な部分から変更するのが最も効果的な光熱費削減方法ですが、資金面からなかなか実行するのが難しいかもしれません。
そのため、まずは今回紹介した節電方法を中心に実践してみるのがおすすめです。
新年を迎えるタイミングで掃除をはじめとする、今すぐできることを試してみる価値は大きいでしょう。