暑い夏、熱中症にならずに過ごすためには?3つのポイントを知って、しっかり対策しよう
2023.08.02
業界コラム
夏といえば、熱中症対策――ここ数年であたりまえになってきました。
日本も、最高気温が35℃を超える「猛暑日」と呼ばれる日が多くなっています。
とくに毎年7月中旬から8月は、熱中症による緊急搬送がいっきに増加する傾向にあります。
そんな暑い夏を、熱中症にならずに過ごすための3つのポイントを、チェックしておきましょう。
熱中症情報を知っておく
熱中症警戒アラートをチェック
令和3年から、環境省と気象庁による『熱中症警戒アラート』が全国的に実施されました。
熱中症のリスクが高くなると予測された地域に向けて、屋外での活動を控える・熱中症予防対策を促すためのアラートが行われます。
テレビ・ラジオ、メールや各アプリでの通知、自治体の防災無線などさまざまな方法で発表されます。
自分の住んでいる場所、行動する地域、離れた場所で暮らしている家族がいる地域などのアラートチェックをしてみましょう。
熱中症の状態を知っておこう
熱中症の初期症状は、気づきにくいちょっとした違和感のときがあります。
こんな症状が自分や他人にあったときは、注意しましょう。
・顔がほてる
・めまい、立ちくらみがする
・こむら返り、筋肉がピクピクと痙攣する
・頭痛、吐き気がする
ひどくない症状であっても、熱中症の初期段階の可能性があります。
水分補給をして涼しい場所で休み、手のひらや脇下、首元などを冷やして体温を下げましょう。
症状が収まらない場合は、医療機関へ相談しましょう。
・足元がふらつく、まっすぐ歩けない
・汗を異様にかく、まったくかかない
・体に触れると熱い
・水が飲めない
・うまく話せない、呼びかけに答えられない
こんな症状が出たときは、かなり熱中症が進んでいます。水分補給・体温を下げるなどの処置をしながら、医療機関を受診するか、救急車を呼ぶ必要があります。
熱中症対策をしっかり行う
日本の夏に不可欠となってきた「熱中症対策」。
熱中症にならないために、抑えておきたい基本をおさらいしてみましょう。
熱中症対策
水分はこまめにとる
屋外はもちろん、室内でも水分補給をこまめに行うことが、熱中症対策で最も重要です。
ポイントは〝ノドが乾いていなくても〟飲むこと。
喉が乾いたなと感じた時、すでに体内の水分が失われている状態です。
15分~30分に1度、コップ1杯程度(200ml)の水分補給を意識してみましょう。
水や麦茶など、カフェインの入っていないものがオススメ。
汗をたくさんかいている時は、スポーツドリンクで塩分もとりいれることも重要です。
外出時には、水分を持ち歩くことを忘れないようにしましょう。
塩分は汗をかいたとき、適度に
汗をたくさんかくと、体内の塩分が失われてしまいます。
屋外でいっきに汗をかいたときは、塩タブレット・飴・梅干しなどで塩分補給しましょう。
しかし塩分はあくまでも「適度」が重要。とりすぎないように注意してください。
スポーツドリンクには塩分・糖分が含まれているので、とりすぎに気を付けることが必要です。
高血圧など医師から塩分についての指導がある人は、必ず摂取量を守りましょう。
気温・湿度をチェック、室内では適切なエアコン使用
室温28℃以下、湿度40~60%に保つことで、熱中症リスクを減らします。
暑さは我慢せず、エアコンを適切に使いましょう。
また各部屋に室温・湿度がわかる温度計を設置しておき、常にチェックすることもオススメです。
日差しをさける、冷却グッズを利用する
通勤・通学・お買い物など、日中の外出時には、帽子や日傘を使って日差しを避けましょう。
遮熱性の高い日傘を使うと、頭部の温度が約5℃~10℃ほど下がるとも言われています。
また、首元を冷やす冷却グッズなどを利用して、体を効率よく冷やすことも熱中症リスクを低下させます。
過ごしやすい衣服を選ぶ
屋内・屋外どちらで過ごすときも、通気性の良い衣服を選びましょう。
綿や麻などの素材は通気性がよく熱がこもるのを防いでくれます。
汗をかいてもすぐに乾く、速乾性の高い素材でできた衣服や下着もオススメです。
熱中症になりにくい体をつくる
熱中症対策では、自分の体を〝熱中症になりにくく〟することも大切です。
年齢や性別、体質によってできることは人それぞれですが、熱中症リスクを下げる2つのポイントは
「きちんと睡眠をとること」
「暑さに少しずつ慣れておくこと」です。
快適な睡眠をとるには? 夜のエアコン活用ポイント
7月から8月にかけては、熱帯夜と呼ばれる「最低気温が25℃以上」の日が増えてきます。
寝苦しい部屋では睡眠の質が落ちて、体力も低下してしまいます。
それだけでなく、遅れてやってくる〝翌日熱中症〟になってしまう可能性も。
睡眠時のエアコン活用のポイントをチェックしてみましょう。
睡眠時にベストな温度・湿度設定は?
睡眠時に良いとされる室温は、25~28℃。28℃を超えると熱中症リスクがあがります。
就寝中は湿度を40%~60%に保っておくと、汗をかきにくく眠りやすくなります。
夜のエアコン設定、つけっぱなしがベスト?
夜間は気温が下がるからエアコンは必要ないと感じる人は少なくないはず。
しかし、お部屋のなかには昼間の熱がこもっていて室温が下がりにくくなっています。
とくに日中の気温が高かったり、熱帯夜が多くなってくる7月~8月にかけては就寝時もエアコンをつけっぱなしにしておくことをオススメします。
エアコン設定のポイント
・就寝1時間前くらいに低め設定(25℃程度)でお部屋を涼しくする
・睡眠時には少し室温をアップ(26~28℃)しておく
・風量設定を自動モードなどで調整する
就寝時は、わずかな気流があると眠りやすい
エアコンの他に取り入れておくとより眠りやすくなるのが〝気流〟。
空気がわずかに流れている状態です。
扇風機やサーキュレーターを、微風・弱モードにして付けておくと快適さがアップ。
この時気を付けたいのが、風が直接体に当たらないようにすること。
風の向きを壁に向けておくと、気流が間接的になって、体への負担が少なくなります。
パジャマや寝具も自分にぴったりのものを
暑さの感じ方や熱中症リスクは、人それぞれ。性別や年齢、筋肉量によってかなり変わってきます。
パジャマや寝具は通気性の良い素材を選ぶことをオススメします。
筋肉量が少ない人、冷え性気味の人は夏でも敢えて長袖・長ズボンを選ぶなど、自分の体質に合わせたものを選んで、睡眠の質をアップしましょう。
暑さに慣れるって、どういうこと?
熱中症予防として知っておきたいのが、「暑熱順化(しょねつじゅんか)」というキーワード。
体を少しずつ暑さに慣れさせるという意味です。
暑熱順化を行うことで、汗が出やすく体内の熱を逃しやすい状態になっていきます。
暑熱順化
体づくりは習慣化が重要なポイント。
毎日の生活のなかで、自分の体調に合わせて無理なく行うことが大切です。
運動
・ウォーキング(30分)
・ジョギング(15分)
・サイクリング(30分)
通勤・通学、お買い物の時などに少しだけ汗をかくような運動でOK。
できるだけ階段を使うなども効果的です。
ポイントは「ちょっと暑いかな」「少し汗をかく」くらいの環境で行うこと。
屋外での運動は、気温が高い日中などは避けて、自分の体調をしっかりチェックしながら行いましょう。
習慣
・屋内でのストレッチ、筋トレ(30分)
・入浴時に湯舟につかる
屋内でのストレッチや筋トレは、暑い日でも行いやすく代謝をアップさせるのに効果的です。
夏場はシャワーだけですませがちな入浴ですが、しっかり水分をとってから湯舟につかって汗をかくことも、暑熱順化を促します。
自分自身、家族や友人、ペット、大切な誰かが熱中症にならない毎日を過ごせるように。
水分補給や熱中症対策、あたりまえの日常になっているからこそ、ときどき振り返ってチェックすることが大切です。