インフルエンザ予防に必要な3つのキーワードをチェック!
2019.10.24
業界コラム
例年12月~3月が流行期間と言われているインフルエンザ。
インフルエンザは、一般的な風邪の時に発症するのどの痛み・鼻汁・咳やくしゃみ等とは違い、38度以上の高熱や関節痛、全身を襲う倦怠感などの症状が急速に現れるのが特徴です。
1~2歳までの乳幼児や就学前のお子さんは特に重症化しやすく、インフルエンザにかかった患者1万人あたりに数人の割合で脳症を発症することがあります。
また高齢者や、治療中などで免疫力の低下している人も肺炎などの合併症を起こしやすく、重症化する傾向があります。
もちろん健康的な成人であっても、まれに重症化や脳症の発生を引き起こす可能性もあります。
命に関わる場合もありえる――そんなインフルエンザにかからないために、誰でもできる予防の3つのキーワードをまとめてみました。
キーワードその1……なにより大切な、流行前の予防接種
インフルエンザにもっとも効果的なのは、予防接種です。
予防接種は普通の薬とは違い、ワクチンと呼ばれる抗体が血液のなかで少しずつ増えていき、成人の場合、個人差はありますが接種から約4週間後にピークを迎え効果は3か月から5か月ほど続きます。
接種の回数は、原則的に13歳以上は1回、13歳未満は2回となっており、生後6か月以上から接種することができます。
慢性疾患がある場合や接種時の体調、アレルギーなど、接種ができない場合もありますので必ず医師の判断が必要です。
予防接種を受けるタイミングは、例年の流行ピークから考えると11月がベスト。
ただしワクチンの数には限りがあるため、インフルエンザの流行が予想され始めるといっきに希望者が増え、受けたくても受けられないといったことがあります。
早めに病院に問い合わせて予約することをおすすめします。
インフルエンザの予防接種の値段はどれくらい?
予防接種は通常の診療とはちがい、任意の「自由診療」なので、保険適用外になっています。そのため、各病院やクリニックごとに値段が変わってくるのです。
予防接種の価格はホームページや窓口で提示されているところが多いです。1回3000円~5000円台が多く、全国平均ではだいたい3500円程度といわれています。
2回接種の場合は、セット割りのような価格設定を行っている病院などもありますので、各病院の値段を調べて比較することをおすすめします。
また、加入している健康保険の種類によって、助成金を受けられる場合があります。加入者本人だけでなく、扶養家族にも適用される場合もありますので、必ずホームページ等で確認してみましょう。
また国民健康保険の場合でも、自治体によっては助成金が出る場合もあります。自分が住んでいる地域が対象かどうか、一度問い合わせてみることが大事です。
高齢者や乳幼児に対する公費で助成が出る場合もあります。乳幼児や高齢者は特に予防接種を受けるのが望ましいので、お得に受けられる情報があれば共有するといいかもしれません。
キーワードその2……ウイルスを持ち込ませない! 手洗い・うがいの重要性
インフルエンザは飛沫感染(くしゃみや咳で飛んでいたウイルスを吸い込んでしまうこと)と、接触感染(ウイルスがついた場所に触ってしまうこと)が主な感染源です。
通勤や通学、日々の生活の中では、不特定多数の人が行きかう場所を避けることはできません。
外からついてきたウイルスを、家庭内でできるだけ排除する方法として有効なのは、やっぱり「手洗い・うがい」の徹底です。
手洗い・うがい、そのやり方であっている?
子供のときに習った「手洗い・うがい」。日々の生活のなかで習慣化しているあたりまえのことですが、ここでその効果的な方法を見直してみたいと思います。
【うがい】
1.口に水を含み、強めにクチュクチュと左右にゆすいでからはき出す。
2.再度水を含み、上を向いて15秒ほど、できるだけ喉の奥まで水がいきわたるように ガラガラとうがいして、はき出す。
3.最後にもう一度水を含み、ガラガラとうがいをしてはき出す。
ゆすぐ、ガラガラとうがいする際、必ず1回ずつ水を含んではき出すことを忘れずに!
【手洗い】
1.手を濡らし、石鹸やハンドソープをしっかり泡立てる。
2.手のひらをしっかりと洗う。シワの間にも泡がきっちりいきわたるよう気を付ける!
3.手の甲を片方ずつ洗ってから、両手を組むようにして指と指の汚れをしっかり落とす。
4.親指をつかんで、ねじるように洗ったあと、手のひらの上で他の4本の指を使い円を 描きながら指先をきれいにする。
5.手首をもう片方の手で掴むようにして洗い、流水でしっかりと泡を流す。
最後に忘れてほしくない重要なポイントが、洗った後の手をふく時のことです。
一番のオススメは使い捨てのペーパータオル。布のタオルの場合は常に清潔であることに気を付け、できれば家族間の共有は避けて下さい。
厚生労働省のホームページでは、正しい手洗いの仕方やインフルエンザ予防の啓発ポスターが無料でダウンロードできます。小さいお子さんにもわかりやすいイラストが使われているので、各ご家庭の洗面所などに貼っておくのも有効ですね。
キーワードその3……インフルエンザを発症させない環境づくり
さて、最後はできるだけ家庭内でインフルエンザウイルスを蔓延させない環境の作り方です。
インフルエンザや風邪の原因となるウイルス・細菌は空気の乾燥を好みます。
そして冬は基本的に空気が乾燥しやすく、エアコンで暖房を使用すると一層室内の湿度は下がってしまいます。
家庭内でインフルエンザを予防する環境作りで大事なキーワードは「加湿」と「除菌」の2点。うがいや手洗いといった習慣と一緒に、見直してみましょう。
【加湿】
インフルエンザウイルスがもっとも活動しにくくなるのが、室温22度、湿度50%だと言われています。
室内の加湿を高める方法はいろいろあります。例えばコップ一杯の水を置くだけも、その周囲の湿度は少し上がりますし、部屋干しすることも加湿として有効な手段です。
また、床がフローリングの場合は水拭きすると加湿に効果があります。
一番お手軽なのは、やはり加湿器。加湿器には大きくわけてスチーム式、気化式、超音波式、ハイブリッド式の4つの種類があり、それぞれ価格や電気代の違いがあります。
どの種類の加湿器を使う際も、気を付けてほしいのは細菌の発生です。こまめなお手入れを欠かさずに使用してくださいね。
【除菌】
除菌は家庭内でインフルエンザを発生させないうえで、重要な習慣のひとつです。
普段のお掃除のなかで「除菌」を意識することで、室内でのウイルスの活動を少しでも抑えることができます。
特に気を付けたいのが、家族の皆が日常的に触れているところ。
テレビのリモコン、ドアノブ、洗面所やキッチンの蛇口、各部屋の電気のスイッチなど、普段はあまり意識していない場所を、除菌効果のある洗剤や使い捨てのウェットタオル等でお掃除することをおすすめします。
加湿と除菌を心がけて、インフルエンザにかかりにくい環境対策をしましょう!
【参考】
厚生労働省ホームページ「インフルエンザQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html