ホテルの客室清掃点検の効率化は「スマホ」がカギ!アプローチ例も合わせて紹介
2019.11.06
ホテル全コラム
ホテル清掃効率
業界コラム
近年、客室清掃の効率化に取り組むホテルや旅館が増えています。その際に清掃業務そのものに着目されることが多いのですが、実は清掃後の「点検業務」にも効率化のポイントがたくさんあることをご存知でしょうか。
今回はその方法の1つであるスマートフォンを使った点検業務の効率化について、具体例も踏まえて紹介していきます。
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ホテル清掃点検の課題とは
客室清掃と点検業務では、宿泊客のチェックアウトからチェックインの間に清掃と点検を終わらせなければならないのでスピードが要求されます。
このとき効率的な作業の障害になりやすいのが「清掃スタッフからフロントへの報告方法、情報共有方法」です。
その具体的な問題点と非効率な理由を以下でピックアップしていきます。
ホテル清掃点検の問題点など(例)
・電話を使った連絡は口頭でのやりとりになるので、常に状況を正確に伝えることが難しい。
・メールや手書きのメモで連絡すると、文字だけで状況を表現しなければならないので、やはり状況を正確に伝えることが難しく、文面作成の手間がかかる。
・Excel等でチェックリストを作り、清掃スタッフがチェック結果を表にまとめて報告する方法では、情報がフロントに届くまで時間がかかる。
上記のほかにも、ホテルの客室清掃では時として、清掃スタッフだけでは解決できない「イレギュラーなトラブル」が発生することがあります。
例えば、「どうしても落ちない汚れがある」、「清掃では対応できない客室の破損がある」、「備品がなくなっている」などの事態です。
ただでさえ時間のない客室清掃において、このようなトラブルはなるべく早くフロントなどに連絡し、解決を図る必要があります。
しかし、上記の電話やメール、メモなどを使った方法では正確な情報を伝えにくく、時間がかかる可能性が高まることが考えられます。
例えば壁紙が剥がれていることを報告する場合、客室のどの部分の壁紙がどのように破れているのかは、口頭やメモ書きで伝えるのが難しいですし、伝えられた方もイメージしづらいことが考えられます。
たとえ効率化のためにExcelなどでチェックリストを作っていても、イレギュラーなトラブルについてはそもそもチェックリストに項目がないので、結局電話やメールやメモで伝えなければなりません。
このためフロント側での再確認が必要となり、場合によってはフロントの人間がトラブルの現場まで駆けつけて目視で確認後、別途担当者や業者への確認が必要になるなど二度手間、三度手間になるケースも考えられるでしょう。
限られた作業時間しかない客室清掃において、こういった効率の悪さは改善すべき課題の1つであることは間違いありません。
スマホを使った客室清掃の点検方法
上記の問題を解決するために、スマホやタブレットを使った情報共有システムを導入するホテルや旅館が増えています。
機能や使用方法はそれぞれのサービスで異なるので、今回は各社のサービスに共通する点をもとに大まかな例を挙げて紹介します。
スマホを活用した点検方法の例
清掃スタッフとフロントスタッフが、それぞれスマホやタブレットを携帯します。
そして通常の業務において、清掃スタッフは清掃を進めながら報告用の情報共有システムにあらかじめ用意されたチェックリストを埋めていきます。
もしも何らかのイレギュラーな事態があった場合、清掃スタッフはその状況をテキストで入力し、必要に応じて写真を撮影してシステムにアップロードします。
入力された情報は各スタッフへとリアルタイムに共有されるので、それを確認すれば清掃業務の進度や問題の有無を把握することができます。
また、客室に置くアメニティ等の在庫についても、スマホやタブレットから入力できる在庫管理システムを導入すれば、過不足が気になるリネンや浴室カーテンなどの在庫状況がリアルタイムに把握できます。
清掃スタッフからの情報を確認した点検スタッフなどは、問題の内容に応じてしかるべき対応を行うことができるのです。
スマホを使った客室清掃の点検のメリット
スマホを使ったシステムを採用することで、以下のようなメリットを得られます。
・情報共有の迅速化
・共有した情報をスタッフ間で有効活用できる
・画像を共有することで情報量を圧倒的に増やすことができる
・小型のスマホやタブレットを携帯するため、持ち運びの負担になりにくい
・移動の時間、回数の削減
上記の具体例について、それぞれ具体的に説明していきます。
情報共有の迅速化
目に見えるメリットの代表格はやはりこれでしょう。
スマホやタブレットから記入した情報はシステムを通じてすぐに全スタッフに共有されますし、他のスタッフが入力した情報も自分で即座に把握可能です。
誰かに報告するためにその人のところまで行ったり、紙に書いて所定の場所に置いて後で確認してもらったりするよりも遥かに早く、そしてたくさんの人に情報を伝えることができます。
共有した情報をスタッフ間で有効活用できる
共有した情報はスタッフ同士で確認することができるので、仮に自分の裁量権が及ばない問題が発生したとしても、担当者や上長等にシステムの情報を見せて報告し、対策してもらうだけで済むことが多くなります。
自分で一から説明する手間が省けますし、間違った情報を伝える心配が要りません。
また、清掃スタッフからの情報を点検スタッフがチェックしたときに、追加の情報を入力して全体に公開することもできます。
適切な人物によって適切に情報がアップデートされて共有されるため、より正確な情報をリアルタイムに知ることができます。
画像を共有することで情報量を圧倒的に増やすことができる
電話やメモ等と最も大きく違う点が「写真」です。
写真をシステムにアップロードすることで、より多くの情報を正確に全体に伝えることが可能です。
例えば壁紙の一部が破損していた場合、その破損の状態や規模を文字で伝えるのは困難ですが、写真であれば1枚で正確な状況を伝えることができます。
報告を受けた担当者はいちいちトラブルの現場を訪れて確認しなくても解決策を練ることができますし、場合によっては修理業者等に写真を送っていち早く修理の見積もりをしてもらい、修理を依頼することができます。
小型のスマホやタブレットを携帯するため、持ち運びの負担になりにくい
かつては記録するためのチェックリストやメモ用紙、連絡方法である携帯電話、写真を撮るのであればカメラを別々に持ち歩く必要がありました。
しかしスマホやタブレットがあれば1台で記録し、連絡し、撮影することができます。
持ち運ぶ備品を少なくできれば清掃スタッフの負担を軽減でき、より効率的に業務を遂行できるでしょう。
移動の時間の減少、削減
もしアメニティの在庫状況が把握できない場合、在庫があるのかどうかを確認するためにわざわざ倉庫まで足を運ばなければいけません。
しかし在庫管理用のシステムがあれば、都度、倉庫に行かなくともリアルタイムに在庫の状況が確認できます。
これによって「あれがない」「これがない」「実はあるかも知れないから探してみよう」などの無駄な時間をカットできます。
スマホやタブレットを使って客室清掃の効率を上げよう
スマホ等を介して情報を共有できるシステムがあれば客室清掃とその点検をスムーズに行えます。
また、客室清掃自体の効率化のためにはテラモトのホテルリネンワゴンがおすすめです。
ホテルの雰囲気を壊さないシックな外観とアメニティを収納できる大容量に加え、清掃用BMトートバッグをセットできる機能性を併せ持ったおすすめの一品なので、ぜひ導入をご検討ください。