目指せホテル清掃スタッフの定着率アップ!管理者が行うべき教育方法と資格、コミュニケーション術
2019.12.18
ホテル全コラム
ホテル経営・マネジメント
業界コラム
せっかく雇った清掃スタッフが退職してしまうと、また採用にコストがかかってしまいます。
そういったことを防ぐために、この記事では管理者の方に向けてスタッフの離職率を下げられるようなコミュニケーションのコツを紹介していきます。
スタッフの教育に役立つ資格などもピックアップしていくので、スタッフの育成に役立ててください。
【こちらの記事も読まれています】
・4月までに知っておきたい。ホテルの従業員、清掃スタッフの研修ポイント
・ホテル・清掃業界で増える外国人人材。その動向と課題、メリットを徹底解説
清掃スタッフを成長させるコミュニケーション術
まずは管理者がスタッフとコミュニケーションをするときの注意点を述べていきます。
部下が話しかけやすい雰囲気を作る
スタッフが「あの人にはあまり話しかけたくない…」と避けてしまうような上司では、職場の雰囲気が悪くなるどころか、連絡が不十分になって客室清掃にも悪影響が出てしまうおそれがあります。
また、スタッフが疑問に思ったことを上司に質問や確認しづらくなる可能性も出てきます。
話しやすい雰囲気を作るには、まずスタッフの方を向いて目と目を合わせてみてください。
目が合うだけで多少は話しかけやすくなるはずです。
「目が合ったことをきっかけとして話しかけた」という経験がある人もいるのではないでしょうか?
また、スタッフから話しかけられたら、そちらの方向にちゃんと顔を向けるようにしてください。
話しかけられても書類やパソコンの画面、またはタブレットなどを見たままだと、真面目に話を聞いていないような雰囲気になってしまいます。
笑顔で明るく話す
どんよりした人や仏頂面をした人には話しかけづらいものです。
一方で、気さくな人や明るい人には話しかけやすいのではないでしょうか?
明るくない人や根暗な人にとっては難しいかもしれませんが、仕事中は口角を上げて笑顔でいるようにすれば、スタッフがコミュニケーションを取りやすくなります。
また、声の調子も大切です。
明るい声で話した方が、スタッフからの評判も良くなります。
さらに、仕事に感情を持ち込むのは控えている人もいるかもしれませんが、ときにはある程度感情を出すことも必要です。
人を励ますときや褒めるときなどは、感情を込めて笑顔で話すとスタッフに良い印象を与えられ、「いい上司に恵まれた」「この職場はいいところだ」と思ってもらえて、結果として離職率を抑えられるかもしれません。
ポジティブに褒める、ねぎらう、感心する、認める
褒められると多くの人が嬉しく感じるはずです。
褒められたことをきっかけに、「この職場でなら長く働いてもいいな」「この職場のためにもう少しがんばろう」と思ってくれる人が出てくる可能性もあります。
褒めるところを見つけて褒めたり、そうでないときでも労をねぎらったりすると、スタッフとのコミュニケーションが活発になります。
「ベッドメイクが上手くなった」
「前に教えたことをしっかり守っていてえらいね」
「連勤してくれてありがとう」
「いつもより一部屋多く掃除してくれて助かったよ」
といった些細なことで構いません。
また、少し大げさに感心する、相手の行動を認めるなども効果的な方法です。
「こんな小さな汚れまで見つけられるなんて感心するよ」
「その方法の方が効率良く掃除できそうだね」
といった具合に、相手がポジティブになれるような言葉をかけてあげましょう。
ネガティブなワードを避ける
ネガティブな言葉を使うとスタッフの心が離れていき、やがては離職に繋がっていく可能性もゼロではありません。
「(何かを提案されて)そんなことはどうせ無理だ」
「お前にはできない」
「だからお前はダメなんだ」
などの言葉は使ってはいけません。
スタッフが仕事の能力ではなく、自分自身を否定されている気分になるかもしれないからです。
例えば上記の言葉を以下のように言い換えるだけでもかなり柔らかくなります。
「(何かを提案されて)無理かもしれないけど、しっかり検討させてもらうよ」
「今の君にはできないかもしれないけど、もう少し仕事に慣れたらできると思うよ」
「今回はミスがあったけど、他の仕事は上達しているから、こういったミスもなくしていこうね」
相手自身を責めるのではなく、「検討に値することである」「できないのは慣れていないせいで、あなたのせいじゃない」「今回はたまたまミスがあっただけ」など、相手のポテンシャルを認めてあげながら話すようにすると、スタッフの気分を害する可能性が低くなるでしょう。
「怒る」ではなく「注意する」「一緒に考える」
現実問題として、常にスタッフを褒め続けることは難しいと思います。
特にスタッフに何らかの落ち度があった場合は、再発防止のために厳しいことを言う必要に迫られます。
そういった場合に怒鳴ったり怒ったりすると、それがきっかけで離職される可能性が出てきます。
感情的にならずに「ここがこういう理由でダメだったから、今後は気をつけて」などと、「注意する意識」が大切です。
また、「どうしてこういった事態になってしまったのか、自分の教え方が悪かったのかもしれない。一緒に考えてみよう」という意識でスタッフと話すのもいいでしょう。
一方的にまくしたてる、ネチネチと嫌味を言うなどすると、スタッフの定着率に悪影響が出る可能性も否定できません。
怒りたいときほど冷静になってください。
悪口を言わない
たとえ本人への悪口でなくとも、悪口を言うと「私も陰で悪口を言われているかもしれない」という疑問を持たれる可能性があります。
また、陰で悪口を言った本人へ密告されてしまうと、それが原因で職場の雰囲気が悪くなり、ひいては職場定着率が下がってしまうおそれも出てきます。
さらに、仮にお客様の悪口を言ってしまうと、「お客様は悪口を言っていい存在」と認識されるおそれがあり、最終的に「悪口を言われるようなお客様が使う設備など、手を抜いて掃除をしても構わないだろう」とスタッフが思い込み、実際に手を抜いた清掃を行うかもしれません。
悪口を言わないことは職場の鉄則として覚えておきましょう。
目的別!客室清掃のスタッフに取得をすすめたい資格3選
客室清掃をするために資格は必要ありませんが、取っておくとスキルを証明できる、または業務に役に立ちうる資格や研修をピックアップします。
スタッフに取得を促してみてください。
資格の名前 | 目的 |
---|---|
清掃作業従事者研修 | 清掃作業の基礎を学ぶ |
ビルクリーニング技能検定 | ビル清掃に関する知識と技能を習得する |
各種語学検定 | 外国人客及び外国人スタッフとの意思疎通 |
清掃作業従事者研修
業務として行う清掃作業の基本を学ぶことができます。
研修は2日にわたって行われ、1日目は座学がメイン、2日目は実技がメインです。
スタッフに清掃の心得と基礎的な内容を体得してもらうためにピッタリの研修です。
ビルクリーニング技能検定
本来はビルメンテナンス分野の資格試験ですが、この資格を取るために勉強することで、ビル内清掃について体系的に学ぶことが可能です。
1~3級に分かれていますが、3級であれば誰でも受験できる国家試験であり、これに合格したスタッフはそれなりの知識とスキルがあると認めていいでしょう。
各種語学検定
客室清掃では直接お客様と接する機会は少ないかもしれません。
しかしいざというときに役に立ちますし、清掃スタッフに外国人がいる場合はコミュニケーションを取ってもらうこともできます。
何らかの語学に秀でたスタッフがいると助かるシーンも想定されるので、取得を促してみてはいかがでしょうか?
コミュニケーションに気をつけて清掃スタッフの定着率をアップさせよう
スタッフの離職を防ぎ、定着率を高めるにはコミュニケーションの取り方が大切です。
上手にコミュニケーションをすることで「ここは居心地の良い職場だ」と感じてもらうことができれば、定着率のアップが期待できます。
コミュニケーションの方法は明日からでも変えられるので、この記事の内容を参考にしてぜひ試してみてください。