自宅勤務(テレワーク)で仕事がはかどる掃除術Part4:夏・猛暑でも良コスパ・快適に働く方法
2020.07.29
お掃除コラム
今年の夏はムシムシと不快な暑さが続いています。長引く梅雨や大雨の影響で過ごしにくい日が多いです。特にオフィスワークの人は通勤中・移動中にもストレスを感じることが多いのではないでしょうか。
ただ、実はテレワークの人にとっても「猛暑」は大きな敵なのです。オフィスと違い、温度・湿度の管理は全て自己責任なので、無意識に生産性が下がるような劣悪な環境で仕事をしてしまうこともあるのです。今回は自宅で快適に働く方法について解説します。
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夏場の自宅勤務(テレワーク)は、意外と難しい
人は暑いと働けなくなる生き物です。その理由として、夏場に仕事の生産性が落ちるという事実があります。実際に、会社員として働いている人なら誰しも、夏場に仕事がはかどらないと感じたことがあるかと思われます。一方で、それは気のせいだと感じる人もいるかもしれません。暑さで気が滅入ることで仕事が進まない感覚に陥っていたり、単に怠けてしまっているのだと考えられなくもないでしょう。しかしながら、健康科学分野のジャーナリストであるKatherine Ellen Foley氏によると、暑い時に生産性が落ちることは科学的に説明されているのだそうです。具体的な根拠は以下の通りです。
・暑い時は体の動きが鈍くなる
・体温調整のために余分なエネルギー消費が起こる
・何気ない活動も辛く感じる
要するにエネルギー消費量の増加に伴って、平常時よりもパフォーマンスを出しにくい状態になっているのです。普段と同じ感覚で仕事をしていると、無意識に従業員個人、ないしは会社全体の生産性が下がるリスクが高まります。
また、バージニア大学とヒューストン大学の研究チームによると、気温の変化は認知機能を低下や注意力の散漫を招くという報告もされています。調査内容は、同チームのある研究にて、被験者を室温19℃の部屋と25℃の部屋に分け、文章校正作業の質を比較したものがあります。結果は25℃の部屋の被験者のミスが明らかに多かったというものでした。以上のことから、体の負担になるような暑さで働くことは得策ではないことがわかります。
快適に働く方法1:作業時間の変更
真夏の暑さへの対抗手段として作業時間そのものを早朝や夜間に変更してしまうのも一つの手ではないでしょうか。その理由として以下があげられます。
・早朝と夜間は比較的涼しく、ストレスなく作業できる
・エアコンの使用を抑えることができ、電気代の節約になる
・家族と同居している人は、家族の就寝時間と重なるため、落ち着いた環境で作業できる
近年はフレックスタイム制を採用している会社も多いので、就業時間の変更が可能なら試してみる価値はあると思われます。ただし、起きている間に自然光に触れられなくなるなど、健康面を考慮した場合、理想的なライフサイクルとは言い切れないかもしれません。
日光を浴びることが出来なければ、セロトニンという心を安定させる大切なホルモンも分泌されにくいです。また、夜間はついつい長時間作業をしてしまいがちなので、時間を区切ってメリハリのある生活を心がけましょう。
作業効率の追求は大切ですが、睡眠時間を確保して健康管理をするのが何より大切です。
快適に働く方法2:温度・湿度を適度に管理
先ほど作業時間の変更について解説しましたが、「会社がコアタイム制である」、「体調管理が難しい」などの理由で、実施が難しい人が多くいると思います。そのため、ここではエアコンを駆使して温度・湿度を管理するポイントを紹介します。
冷房の正しい使い方1:日中はつけっぱなし
日中に限ってはエアコンをつけっぱなしにしておいた方が電気代の節約になります。なぜならばエアコンは起動時に一番電気を使うからです。
また、室内が設定温度に達するまでに大きなエネルギーが必要なので、日中にオン・オフを繰り返すのは良くありません。長時間外出する場合を除き、電源は切らないようにしましょう。逆に夜間や早朝は涼しいので、少しの外出でも電源を切ったほうが良いとされています。
冷房の正しい使い方2:自動運転でスタート
エアコン起動時は自動運転モードにしておきましょう。弱運転の方が電気代を節約できるようなイメージがあるかもしれないですが、先述したように室温が設定温度に達するまでは大きなエネルギーが使われます。つまり、自動運転で一気に設定温度まで室温を下げて、そこから弱運転や送風モードに切り替える方が、結果として節約できるのです。
冷房の正しい使い方3:エアコン本体の見直し
エアコンが10年以上前のモデルなら、現行のモデルよりも省エネ面で劣っています。購入費用との兼ね合いにもよりますが、場合によっては買い替えを検討する価値があります。また、フィルターが汚れていると冷却能力が落ちるので、カバーを外して掃除しましょう。
ちなみに、フィルターはカビの巣窟になりやすいので、感染症・中毒症状・アレルギー・シックハウス症候群の原因にもなりえます。そのためカビやほこりが溜まっていないか定期的なチェックが必要です。テレワークが中心の人はなおさら気を付けましょう。
以上がエアコン・冷房の正しい使い方です。なお、適切な室温・湿度がわからない人はオフィスの適性温度に関する法律を参考にするのが適切かと思われます。労働安全衛生法によると以下のように定められています。
・室内の気温が17度以上28度以下
・相対湿度が40%以上、70%以下
これはあくまで目安で実際の適切な温度には個人差があります。男性、女性、筋肉量、体脂肪率など様々な要因で体感温度は変わります。暑すぎず、寒すぎない理想の温度を見つけましょう。また、蒸し暑い場合には除湿器を活用してください。
※出典:安全衛生情報センター「事務所衛生基準規則 第二章 事務室の環境管理(第二条-第十二条)」
快適に働く方法3:休憩と水分補給
テレワークでは休憩と水分補給が大切です。まず休憩については、テレワークだと休むタイミングがわからなくなる人もいるようです。同僚とのコミュニケーションや外出などがないため、作業だけに没頭してしまう傾向があります。
そのため、心身の健康と生産性を保つために適度な休憩を取りましょう。基本的には個人のペースで休憩を取っても大丈夫ですが、一人だとどうしてもリズムがつかめない方は「ポモドーロ・テクニック」を活用してみてください。ポモドーロ・テクニックとは効果の高い時間管理術で、作業と休憩を一定の間隔で繰り返すという技術です。具体的には以下のサイクルを繰り返します。
1.30~45分作業に集中する ※25分とされる場合もあります。
2.10分休憩する
3.1に戻り、数セット繰り返す
現在は小中学生の勉強術として人気ですが、その効果の高さから仕事に応用している人もいます。細かい分数はアレンジ可能なので、ポモドーロ・テクニックをある程度の目安にして、自分なりのリズムをつかんでみてください。
次に水分補給です。室内にいるのであまり汗はかきませんが、エアコンや扇風機で乾燥することもあるので、こまめに飲むことが大切です。ただし、飲み物の温度には気を付けてください。夏場は食欲が減退し、代わりに冷たい飲み物をたくさん飲みたくなりますが、冷たい飲み物は内臓や肌に負担をかけてしまいます。
逆に熱すぎるお茶・コーヒーなども体には良くありません。「熱すぎず、冷たすぎず」を意識しながら、少量ずつ摂取するようにしましょう。
快適な自宅勤務(テレワーク)には心地よい室内環境を
夏場は仕事の生産性が下がります。この事実は科学的にも証明されており、暑さは人間の活動量を低下させます。テレワークでは室温等の管理は全て自己責任なので、意識的に快適な空間を作らないといけません。そのため、本記事で紹介したように、涼しい時間帯に働く、適切に冷房をかけるなどして室温管理を徹底しましょう。他にも「ポモドーロ・テクニック」を取り入れるなど集中して仕事できる環境を作り上げることが大切です。