TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

withコロナ時代でも欠かせない交通インフラ ~あたりまえを徹底的に。各分野のコロナ対策~
2021.01.13 業界コラム

コンセプト・フォト

コロナ禍のなか、感染症対策として重要なのは「飛沫感染の防止」「3密の回避」「手洗い・うがいの習慣」と言われています。

またテレワークや飲食店のテイクアウト普及など、できるだけ自宅で過ごすというステイホーム時間を長くすることも推奨されています。

しかし、物流や医療、経済活動のなかで交通インフラを使うタイミングは決してなくすことはできません。

飛行機、鉄道、バス、タクシー……様々な交通インフラが、人々の生活に関わっています。

ウィズコロナの時代となったいま、交通インフラを支える各社がどんな感染症対策をしているのかをまとめてみました。

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航空会社の感染症対策と、いま

2020年、航空会社の利用者は前年に比べて大幅に減少しました。

国際線では前年の2~9%、国内線では20~30%ほどしか利用されておらず、3月以降前年比50%を超えていません。

これは利用者が減ったリーマンショック時(2009年)、東日本大震災時(2011年)をはるかに上回る結果となりました。

新型コロナウィルス感染拡大の影響を大きく受け、苦しい状況が続く航空会社ですが、旅の安全のために徹底的なコロナ対策を行っています。

・航空機内の十分な換気

飛行中の航空機は、上空の空気を大量にとりこむことで、約3分で機内の空気がすべて入れ替わる。空気は天井から供給され、左右の壁から床下へと流れるため客室内で滞留しないようになっている。

・高性能フィルターの装備

機内の空気は、病院の手術室の空調設備に使用されているような高性能フィルターでろ過。常に清潔な空気が取り込まれている。

・徹底した消毒作業

テーブル、肘掛け、テレビやコント―ラーなどの座席周り、トイレのドアノブなど、手が触れる場所すべてをアルコール消毒。機内での飲食サービス提供もその都度、清潔な手袋や使用する。

・マスク着用、ソーシャルディスタンスの促進

空港、航空機内のどちらでも職員のマスク着用はもちろん、利用者にもソーシャルディスタンスとマスク着用、手指の消毒を促す。

・感染対策のためにマスク着用や検温の徹底

理由なくマスク着用を断られた場合や、発熱症状のある利用者がいる場合は、感染対策を徹底するため搭乗を断る。

・乗務員、職員の健康管理

航空機内に勤務する乗務員、航空でアナウンスや整備、清掃などを行う地上係員など、すべての職員に対してマスク着用、手指消毒やうがいの徹底のほか、感染リスクを避けるための健康管理を行い、健康状態をきちんと把握して勤務する。

新しい生活様式で減収した、鉄道会社

■撮影用の施設にて撮影を行っています。■ストックフォトモデルによるイメージ写真です。
■撮影用の施設にて撮影を行っています。■ストックフォトモデルによるイメージ写真です。

鉄道会社に打撃を与えたのは、通勤・通学で使う定期券利用の激減でした。

3月に実施された緊急事態宣言から、テレワークやオンライン授業の普及により、乗客の半数を占めていたという通勤・通学利用者が少なくなったのです。

緊急事態宣言が終了したあとも、首都圏の主なターミナル駅の利用者はJR・大手私鉄ともにコロナ前に比べ、朝のピーク時間帯で3割ほど減少しています。

この減収による赤字額は、JRで発足以来初の1553億円。大手私鉄も約100億~300億となっています。

生活のうえで欠かせない鉄道会社は、どんなコロナ対策を行っているのでしょうか。

・車内の換気の徹底

通勤電車など窓が開くタイプの車両では、窓の開放・ドアの開閉により換気を行う。

新幹線は車両内の換気システムにより、約6~8分程度で車内の空気が入れ替わる。その他の特急列車などにも、換気装置や空気清浄器を順次設置する。

・消毒、抗菌の徹底

電車内(つり革、座席、ドア)、駅構内(階段、エスカレーター、エレベーター、券販売機等)のどちらもこまめに清掃・消毒作業を行う。菌の増殖・ウイルスの活性化を抑制する効果のある抗菌剤を各所に噴射する。

・利用状況をリアルタイムに提供して混雑をさける

アプリなどを介して、電車の混雑具合をリアルタイムに提供。またそのデータを用いて混雑しやすい時間帯や曜日を予測して、乗客の分散を促す。

・ソーシャルディスタンスに基づいた座席予約

指定席がある列車を予約する際、間隔をあけてとれるようシートマップで利用状況を提示する。

生活に欠かせない移動手段、バス会社の現在

バス会社は長距離を移動する「高速バス」と、街中を走る「一般路線バス」に分かれます。

どちらもコロナ禍において大きな打撃を受けていますが、「高速バス」では利用者が前年に比べ約70~80%減。運営会社の9割が大幅な減収となり苦しい状況です。

人々の生活に欠かせない「一般路線バス」でも利用者は前年比30%~40%減となり、運営会社の6割は減収による影響が出ると予測されています。

そんなバス会社が行うコロナ対策の一部を紹介します。

・乗務員の体調管理の徹底

乗車前の手指消毒やうがい、マスク着用、検温・アルコールチェックなど健康管理を徹底。勤務時間中に限らず、手洗いうがいや3密を避ける意識を持つ。発熱や感染の疑いがある場合は、ただちに報告して業務につかせない。

・車内の消毒と換気の徹底

運転終了後に手すりや座席などの消毒を行い、走行中も窓をあけて換気を促す。

また運転席近くの座席を使用不可、ビニールカーテンも使用し、乗客からの飛沫感染リスクを下げる。

・高速バスでの換気の徹底と飛沫感染予防

車内に換気装置を取り付ける、乗降時にドアや窓を開け換気を徹底。乗客に対してもマスク着用、飛沫予防のために会話などを控えめするなどの協力を促す。

・ソーシャルディスタンスと検温

予約できる席を減らすことで、乗客が並んで座ることがないようにする。また長距離を移動する高速バスでは検温を実施し、発熱症状がある場合は乗車を断る。

ドライバー高齢化と減収で揺れるタクシー業界

asian business woman commute by taxi and she wear face mask to avoid infectious diseases coronavirus

タクシー業界の収入は、前年に比べ50%~70%減っている状態と言われています。特に観光地を主な収入源としている場合、国内外からの旅行者が激減した結果80%以上も減ってしまったところもあるそうです。

一方、タクシー乗務員には個人事業主として会社に所属している人も多いせいか、国からの雇用調整助成金が活用されていないとう面もあります。

一方で、タクシーに限り特例許可を得られれば、配達事業者のように飲食のデリバリーが行えるようになりました。この特例許可は期間限定ではありますが、今度恒久化の可能性も交えて国交省で議論されています。もしも許可が恒久化されれば、タクシー業界に新しい需要が生まれるかもしれません。

他のインフラに比べ、運転手と乗客がとても近い状況になるタクシーでのコロナ対策は、どんなものでしょうか。

・飛沫感染防止のためにカーテンやアクリル板の活用

運転席と後部座席にアクリル板やカーテンを設置、また乗降時の接触を減らすためにドアの自動開閉を行う。

・手指消毒、マスク着用、健康管理

乗車前の手指の消毒、マスク着用はもちろんのこと、日々の健康チェックや検温・アルコールチェックを徹底。

・こまめな車内消毒と換気

始業・終業時の車内の清掃・消毒だけでなく、乗客が降りたあとも座席の消毒や窓を開けての換気を行う。

・金銭受け渡しのトレー使用、キャッシュレス決済の促進

金銭受け渡し時の感染リスクを下げるため、トレーでの受け渡しやキャッシュレス決済を促す。

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