TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

『換気』の重要性に再注目―エアロゾル感染を防ぐために知っておきたい、換気の仕組みとポイント
2021.10.06 業界コラム

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あらためて知っておきたい、新型コロナウイルスはどんなふうに感染する?

現在、新型コロナウイルスの主な感染経路は『接触感染』『飛沫感染』『マイクロ飛沫感染』の3パターンとされています。
それぞれどういった状況で感染してしまうのかを簡単にまとめると……

『接触感染』

ウイルス等がついた手指で、目・鼻・口の粘膜に触れてしまうことで起こる感染です。
ドアノブやタッチパネルなど、日常的に触れるものから手指についたウイルスが、鼻や口の粘膜から入り込んでしまいます。
手洗い・手指の消毒と、家庭・職場・公共の場で触れるものを洗浄・消毒することが大きな感染対策になります。

『飛沫感染』

感染者のせき・くしゃみ・会話などによってウイルスを含んだ飛沫や粒子を吸い込むことで感染します。
会議や接待、飲食店・社員食堂等での会話、カラオケなど、人と人の距離が近いこと・会話など飛沫が発生しやすい環境で起こりやすいと言われています。
3密(密集・密閉・密接)を避ける、ソーシャルディスタンス(1メートルから2メートル程度の距離)、マスクの着用で感染の可能性を下げられます。

『マイクロ飛沫(エアロゾル)感染』

ウイルスを含んだ5マイクロミリメートル(0.005ミリ)以下の飛沫粒子が、しばらくの間空気中をただよい、それを吸いこむことで感染します。

マイクロ飛沫(エアロゾル)感染が、主たる感染経路になっているかもしれない?

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コロナウイルスは、感染者がせきを一度した場合で約700個、くしゃみで約4万個発生すると言われています。
これまでの考えでは、くしゃみ・せきで出る飛沫を吸い込んでしまう、飛沫のついた場所を触った手指で手や鼻を触れることが主な感染経路だとされていました。
しかし、5マイクロミリメートル程度のエアロゾルの場合約30分程度、それよりも小さな飛沫だと12時間以上にもわたって空気中を漂う可能性があります。
さらにウイルス変異によって、ひとりの感染者から排出されるウイルス量が多くなるパターンも増えてきました。
マイクロ飛沫(エアロゾル)感染の特徴は、これまで感染防止の基本と言われている3密(密集・密閉・密接)を守っていても、感染してしまう場合があるということ。
直接飛沫を浴びていなくても、空気中を浮遊しているマイクロ飛沫(エアロゾル)を吸い込むことによっておこる感染がここ最近の感染拡大の原因のひとつではないかと言われています。

新たな感染経路を防ぐ最大のカギ――『換気』

人と人の距離が離れていても、空気内にウイルスを含んだエアロゾルが残留していると感染の可能性が高くなる――この新たな感染経路を防ぐために重要視されているのが『換気』です。
空気中のエアロゾルの量を減らす対策こそが、感染抑制になると注目されています。
もともとコロナウイルスに限らず、インフルエンザや風邪といった感染症に対しても『換気』することは必須でした。しかし、感染力の高い新型コロナウイルス対策には、より正しく効果的な方法を知っておくことが重要です。

『換気』の大切さ、実は数値化されています。

換気とは室内の空気を衛生的に保つということですが、実は数字として計測することができます。
その数値は空気のクリーンさを、“二酸化炭素の濃度(CO2濃度)”で量ります。
二酸化炭素は人が呼吸を行うことによって吐き出されるもの。
換気が行われていない室内に人がいると、どんどんCO2濃度があがってしまいます。
建築基準法で定められた数値では、CO2濃度を1000ppm以下に抑えるように定められています。
この基準を守るために必要な換気量のことを『必要換気量』と呼んでいます。

必要換気量の仕組みを知ると、換気の仕方が見えてくる

『必要換気量』は、「部屋の広さ」と「部屋に何人いるか」によって計算されます。
どれほど狭い部屋でも、人がずっといなければ CO2濃度はあがりません。
逆に広い部屋であっても、満員電車のような状態で人がいればすぐに空気の状態は悪くなります。
つまり、必要換気量は「どれくらいの人が」「どれくらいの広さの部屋にいるか」によって変わってくるのです。
換気設備を常に稼働させていても、想定より多い人数が室内にいる時間が増えれば換気不足となってしまいます。
CO2は呼吸や会話をすることによって吐き出されるものなので、その濃度があがるということはエアロゾル感染の可能性も高くなると考えられます。

換気タイミングは、二酸化炭素濃度(CO2濃度)モニターで見逃さない

厚生労働省から出されている換気方法として、1時間に2回以上、窓を全開にした換気を行うことが推奨されています。ですが必要な換気量は部屋の広さ・人数で変化します。
飲食店、オフィス、喫煙スペース、会議室など人の流れが多い場所で適切な換気タイミングを知るのに欠かせないのは、二酸化炭素濃度(CO2濃度)モニターです。
最近では小さなお店や事務所などでも気軽におけて、 CO2濃度がすぐにわかる卓上や壁掛けタイプが普及しています。
換気を常に行いながら、モニターのCO2濃度数値があがってきた場合は換気量を増やしたり、室内へ入る人数を制限したりなど対策をたてることができます。

高精度CO2センサー「eAir」
テラモトのIoTサービスを提供するブランド「TERAS」では、二酸化炭素濃度(CO2濃度)をモニターできる高精度CO2センサー「eAir」を取り扱っております。アプリ連携で離れた場所からでもCO2濃度指数、温度、湿度が確認可能です。
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『エアロゾル感染』を意識した換気方法を

室内のCO2濃度を下げることが目的の“換気”ですが、エアロゾル感染を防ぐために今までの換気に+αが必要かもしれません。
エアロゾル感染を防ぐには、空気の流れを常に作っておくこと、しっかりと空気が外へ排出され、新しい空気と入れ替わることが重要です。
『換気』は決まった時間やCO2濃度が高いときに空気を入れ替えることを目的としていますが、できれば常時、室内の空気が排気されている状態が望ましいです。

『エアロゾル感染』を防ぐため、空気の流れの特徴と換気のポイントをチェック

空気の特徴を利用して、入れ替えスピードをアップ

気流は狭い場所へと吹き込むとき、風速が速くなるという特徴を持っています。
室内に風の流れがある場合、窓を全開にしていなくても排気は効果的に行われます。対角線上や高低差のある窓、ドアと窓など2方向に空気の出入口を作っておきましょう。
窓が小さい部屋などは、サーキュレーターなどを使用して外部に排気することも効果的です。

気温差ができるのはNG、空気が室内でまざりあってしまいます

空気は冷たいほうから暖かいほうへと流れるという特徴を持っています。室内に温度差があると、空気がぐるぐると回ってしまう状態になるので、気温はできるだけ一定になるよう気を付けましょう。
また、室温・湿度が低すぎるとウイルスが飛散しやすくなります。室温18℃以上、湿度40%以上を保てるよう注意してください。

排気は外部へ! 建物内のどこかにたまらないよう気を付けて。

オフィスなど1つのフロアにいくつもの部屋がある作りの場所などは、とくに気を付けたいポイントです。
部屋の換気がきちんと行われても、排気した空気が廊下や別のフロアに移動しただけでは『エアロゾル感染』の抑制になりません。外部へ拡散できるように、換気のルートをチェックすることも大切です。

※参考
厚生労働省資料 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000657104.pdf

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