TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

マンション、事務所、店舗の定期清掃の内容と清掃道具・掃除道具とは
2022.02.16 業界コラム

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実際にお客様や商談相手が訪れるような場所では、常に清潔な状態にしておくのが非常に重要です。マンションやオフィスなど清掃範囲が広く、頑固な汚れも多い場合、定期清掃を業者に依頼するのは有効な手段でしょう。

そのため、清掃業者には日々様々な相手から定期清掃を依頼、相談を受け、それぞれに応じた清掃業務を熟知しておく必要があります。
今回は、定期清掃とは何なのかという基本的なことから、マンション、事務所、実店舗での定期清掃での業務と使用する清掃用具について紹介していきます。

※おすすめ記事1:スタッフ必見!ビル清掃のポイントと効率化を実現する清掃用具
※おすすめ記事2:床磨きの必需品。ポリッシャーの種類と使い方とは

定期清掃とは

定期清掃とは、月に1〜2回程度業者が訪問して行う清掃業務です。毎日実施する日常清掃では落としきれない頑固な汚れを除去するのを目的としています。また、同じ企業や店舗であっても清掃箇所によって頻度が異なる場合もあり、数か月1回、半年に1回など様々です。

アルカリ性や酸性の刺激の強い洗剤や高圧洗浄機、ポリッシャーなどの出力の強い清掃用具を使用するため、専門的な知識や経験が必要となるのが特徴といえます。では具体的にどのような清掃業務を行うのか、それぞれの清掃箇所ごとに見ていきましょう。

マンションの定期清掃

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マンションでは日常清掃として、廊下、エントランスなどの掃き掃除や、ガラス、手すりの拭き掃除を行います。
しかし、日常清掃だけでは除去しきれない黒ずみ汚れも存在します。落とさずに放置すると、見栄えも悪くなり、入居者の減少にもつながるため、定期清掃が必要です。以下ではマンションで行う定期清掃の例を、使用する清掃用具とともに紹介します。

床・廊下

各階にコンセントが配備されており、電源が使用できる場合、ポリッシャー機械を用いて定期清掃を行います。ポリッシャーとはモーターで円形のブラシやパッドを回転させ、効率よく床のみがき掃除を行う業務用清掃用具です。

まずは、通路全体のほこりや砂といった粉塵を除去するために、全体の掃き掃除を行った後、薄めた薬品にモップを用いてまんべんなく広げます。これらの前処理をしたうえで、ポリッシャーの電源を入れ黒ずみ汚れを除去しましょう。

その後、中性洗剤を使用して、ポリッシャー清掃で出てきた汚水を洗浄し完了です。薬品が乾燥する前にポリッシャーで清掃しなければ、床に白い薬品跡が残ってしまうため、素早く作業するのがポイントです。

ポリッシャーを用いた清掃では、床や廊下の種類に注意しましょう。ポリッシャーの先端にはブラシとパッドの2種類が存在しており、パッドは固いスポンジのような質感で、凹凸のない床に適しています。一方、ブラシは凹凸のある床でも問題なく使用できますが、パッドに比べると洗浄力が落ちてしまいます。清掃する床の種類に適した方を選んで掃除しましょう。

外壁

マンションの外壁は砂ホコリによる黒ずみや鳥のフンなどによって、頑固な汚れが付着しています。また、所有者の変更に伴う、ネームプレート(名盤)跡の除去依頼もあるでしょう。
マンションの外壁全てを洗浄してほしいという大きな案件から、部分的な洗浄まで依頼者の希望によって様々です。外壁洗浄は高所での作業も多く、清掃用具の他に依頼内容、清掃範囲に適した備品が必要となります。

ロープワーク(ブランコ作業)

屋上などのロープを固定できる場所にセットし、降下しながら清掃業務を行います。
バランスを取りながら作業をするのは非常に難しく、経験と技術が必要となります。一歩間違えると命にかかわるため、業務従事者は国が定めた「ロープ高所作業特別教育」を修了していなければいけません。
一方で、ロープのセッティングのみで作業が行えることから、足場を組む必要がなく、最小限の経費で抑えられるというメリットもあります。

仮設足場

洗浄範囲が広範囲に及ぶ場合、パイプを用いた仮設の脚を組むケースもあります。適切に建設できれば、しっかりとした足場がある分、ロープワークよりも安全に作業を行えます。
しかし、建設時や解体時にパイプをハンマーでたたく音が大きく、部材を輸送するにも大きな車両が必要となることから、導入できる現場は限られます。経費も比較的多くかかるため、近年ではコストカット目的で採用しない事例も少なくありません。

ゴンドラ作業

仮設の足場にパイプではなくゴンドラを採用する方法です。足場がしっかりしており、作業に十分なスペースが確保できるため、効率的に洗浄作業が行えます。ロープワークのように限られた作業員しか従事できない制約もなく、パイプによる仮設足場のように、建設時の騒音もありません。

ただし、マンションの構造によっては、ゴンドラを設置できない場合もあります。特に建設費用の安さから近年増加傾向にある鉄骨ALG造のマンションでは、壁の強度が足りずゴンドラを設置できないため、あらかじめ確認しておきましょう。
いずれにしても、外壁の洗浄には高圧洗浄機を使用するのがほとんどです。高圧洗浄機とは、電気やガソリンの力を利用して高圧で水を噴射する業務用清掃用具です。簡単には落とせない黒ずみ汚れや頑固な汚れに対して、刺激の強い洗剤を用いず、水だけで除去できるのがメリットとなります。

ただし、高圧で水を噴射しているため、使い方を誤ると清掃箇所をいためてしまう可能性があり、使用には注意が必要です。

事務所の定期清掃

デスクワークや商談を行う事務所では、日常清掃として床の掃き掃除やゴミ回収など基本的なことだけでなく、給湯室の蛇口や窓枠の隅など細かい部分の清掃を行います。定期清掃では普段は行えない細かい場所も忘れずに清掃しましょう。

床 ハード(フローリング・タイルなど)

事務所に使用されている床材の種類によって清掃内容は少し異なります。フローリングやタイルのようなハードな材質が使用されている床の場合、汚れを取り除くためのポリッシャー洗浄の後、ワックスの塗布を施します。

使用する清掃用具も、ポリッシャーやワックス、ワックスを広げるモップなど基本的なもので大丈夫でしょう。ただし、黒ずんだワックスを丸ごと除去する、剥離清掃を行う場合は注意が必要です。
剥離清掃では汚れが蓄積された表層のワックスを取り除くため、床面をほぼ新品の状態にまで戻してくれます。その上から新しいワックスを施すことで、見違えるほど床をキレイにできるのがメリットです。

ただし、剥離清掃に使用する剥離剤は刺激が強く、体内に入り込んだり、皮膚に触れてしまうのは危険です。剥離清掃を行う場合は、経験と知識のあるスタッフが同行するのが良いでしょう。

床 ソフト(カーペット・ラグなど)

カーペットやラグのようなソフトな材質が使用されている床の場合、ハードな材質の床に比べても重点的な清掃が必要です。
これらの床では日常清掃で使用するような掃除機では汚れを落としきれないため、定期清掃でしっかりと洗浄しなければいけません。まずは、業務用掃除機で根元に埋もれている砂やホコリをかき出します。

さらに、高圧のスチームクリーナーを使用して、目に見えない汚れを除去しましょう。高圧スチーマーとは高圧の蒸気で汚れを浮かす清掃用具です。蒸気は非常に高温のため、すぐに蒸発し湿気を残しません。
また、高温のスチームを床に当てると、ダニを死滅させることも可能です。もし、日程に余裕がある場合は、ポリッシャーを使用するのも良いでしょう。

先ほどと同様、業務用掃除機で砂ホコリを除去した後、床に洗剤を付けポリッシャーで洗浄します(先端はブラシを使用する)。この方法は高圧スチーマーを使用するよりも、シミ汚れに対して有効です。
ただし、ポリッシャーを用いた洗浄によって、床がかなり湿った状態になるため、完全に乾くにはある程度の時間が必要となります。

エアコン

日常清掃にて外装やフィルターのほこりを除去するのは可能ですが、内部を清掃するのは難しいため、定期清掃にて対処します。内部の汚れは目につかないため、軽視してしまう傾向にありますが、カビが繁殖してしまうとエアコンの運転時、風とともに室内に送り出されてしまい、健康被害につながります。

また、ファンが汚れていると風の通りが悪くなり、運転効率が下がります。すると、エアコンの効き目が悪くなり、電気代の高騰の原因となるでしょう。知識のない方がエアコンを分解すると、故障や火災トラブルにもつながってしまうため、定期清掃にて担当者が請け負うのがオススメです。

定期清掃では分解して、ドレンパンや送風ファンなどそれぞれのパーツに専用の洗剤と高圧洗浄機を使用して丸洗いします。すすぎ不足で汚れと洗剤が残ったままになると、内部で再びカビの原因となるため、たくさんの水と時間をかけて洗浄しましょう。

実店舗の定期清掃

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定期清掃が必要な実店舗としては美容院や病院など、たくさんあげられるでしょう。どのような用途で使用されているかによって、必要になる専門知識も異なります。今回は実店舗の中でも飲食店での定期清掃を紹介します。

提供している料理の種類や鳥によってどのような汚れが付着しているのかが異なります。基本的にはマンションの廊下や事務所のタイル同様、掃き掃除で砂ホコリを除去した後、洗剤、ポリッシャーを用いて洗浄を行えば大丈夫でしょう。

ただし、ラーメン店や中華料理屋のように、床が油でべたついている場合もあります。こうした油汚れは時間をかけて蓄積されているため、中性洗剤で汚れを落とすのは難しいでしょう。定期清掃では高圧スチームを用いて油汚れを浮かせて除去するのがオススメです。

排水溝

排水溝はキッチンの中にあるため、来店されるお客様の目には届きません。しかし、清掃せずに放置していると生ごみの臭いや汚れが目立ってくる場所でもあります。日常清掃だけでは落としきれない汚れもあり、詰まりの原因にもなるため、定期清掃にて頑固な汚れを落としてあげましょう。

排水溝の定期清掃には高圧洗浄機を用いるのが一般的です。また、これで落としきれない汚れであれば、刺激の強い洗剤を用いて食べかすや油脂を分解するのがオススメです。

グリストラップ

グリスストップとは「油脂分離阻集器」とも呼ばれ、排水に含まれる油脂を溜めておく機器です。油脂を含んだ汚水をそのまま下水に流してしまうと、自然環境への悪影響にもつながるため、現在は業務用のキッチンへの設置が義務付けられています。グリスストップは3層構造になっており、それぞれに付着する汚れも異なります。

第1層

第1層にはバスケットが備え付けられており、大きな食べかすやゴミを受け止めます。バスケットを通過した油分と小さなごみを含んだ排水は第二層へと進んでいきます。第一層はバスケットにゴミが蓄積するため、こまめに回収しなければいけません。

衛生面を考慮して、ゴミの回収は毎日行う必要があり、日常清掃として店舗スタッフが担当するのがほとんどでしょう。

第2層

第2層は上部と下部に備え付けられた2枚の仕切り板で構成されています。小さなごみは排水の底に沈んでいくため、下部の仕切り板によってせき止められます。一方、排水の表面に分離している油分は、上部の仕切り板によってせき止められるという仕組みです。

第二層の清掃業務ではそこに沈殿した小さなごみによる汚泥の除去と、上部にたまった油脂分の除去を行います。これらも頻繁に清掃しなければ悪臭、害虫のもとになるため、店舗の日常清掃によって担当されます。

第3層

第3層はトラップ管と呼ばれる排水管が備え付けられており、第二層で取り除けなかった油分を分離させ、残りを排水として下水道へと廃棄します。この排水管には油脂分がこびりついているため、ぬめりが発生しています。頻繁に清掃する必要はないものの、蓄積された油汚れを除去するのは困難となります。

定期清掃では第三層トラップ管に付着したぬめりを洗剤で除去してあげましょう。いずれの層にしても、店舗スタッフが清掃業を担当しているものの、完全に汚れを除去しきるには限界があるため、数か月に一度は定期清掃によって洗浄するのが一般的です。
こびりついた汚泥には高圧洗浄、油汚れには刺激の強い洗剤を使用すると良いでしょう。ただし、中には数か月から1年以上、清掃されずに放置され強力な汚れが蓄積されている場合もあります。

この場合、より強力な清掃用具を準備する必要があり、見積の段階でグリスストップがどのような状態なのか確かめておくのがオススメです。

定期清掃に使用する清掃道具

定期清掃では限られた時間と予算の中で、どれだけ綺麗にできるかが重要です。以下ではオススメの清掃用具について紹介していきます。

ポリッシャー

業務用の電動ポリッシャーです。別売りのパッドを購入していただければ、必要に応じてパッドとブラシを使い分けることができるでしょう。

また、各種サイズも用意しているため、通路や廊下など大きさよりも小回り重視の際は8インチ程度の小さいサイズを、ある程度の広さの部屋で使用する場合は14インチや12インチの大きいサイズを選ぶと良いでしょう。
タンク付ポリッシャー
※製品ページ:タンク付ポリッシャー

高圧洗浄機

高圧洗浄機と言っても家庭用や業務用の大きく2種類に分けられます。家庭用ではハンディタイプが目立ち、業務用ではボディやポンプ、ホースなど複数の部品からなり、耐久性や出力が上がっています。

業務用も様々な用途での使用が考慮されており、それぞれの目的に沿った仕様の高圧洗浄機を選ぶと良いでしょう。

テラモトの高圧洗浄機は重さも約20kgと持ち運ぶのにも苦労せず、使い勝手良く使用できます。
冷水高圧洗浄機

冷水高圧洗浄機
※製品ページ:冷水高圧洗浄機 HD4/8P

定期清掃を効率的に行おう

定期清掃の依頼を受けると、その相手とは長い付き合いになることが予想されます。しかし、それはあくまで清掃業務の品質に満足いただけた場合に限ります。様々な現場を請け負う関係から短時間での業務完了を重視し雑な業務内容になると、相手からは業者を変えることを打診されるかもしれません。

時間や予算も限られていることから、どれだけ効率的に清掃業務を行えるかが重要となってくるでしょう。ぜひ、今回紹介した清掃方法や清掃道具を用いて、相手に満足していただけるような定期清掃を行ってみてください。

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