寒い季節だからこそ、換気の大切さを再確認しよう!~withコロナ時代、冬の上手な換気方法を~
2022.02.02
お掃除コラム
感染対策として生活のなかに根付いた、マスク・手洗い消毒・ソーシャルディスタンス。
誰もができる行動でもうひとつ重要なのが、『換気』です。
『換気』は新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザや風邪、ホコリなどのアレルギー対策としても、重要なこと。しかし冬の寒い時期は、『換気』はどうしても疎かになりがち。この季節だからこそ、換気の大切さと、寒い時ならではの換気方法を再確認してみましょう!
空気のなかに漂う汚染物質は、ウイルスだけではありません。
コロナウイルス対策として、家庭・オフィス・店舗・教育現場など様々な場所で、こまめな換気をすることが推奨されています。
これは、セキやくしゃみなどで放出されたウイルスが空気中に留まることで、他の人への感染リスクが高まる『飛沫感染』『エアロゾル感染』を防ぐため。
ですが、空気中にはウイルス以外にも人体に悪影響を与える物質があります。
一酸化炭素(CO)
不完全燃焼を起こしたものから発生します。火災時に発生し、主な死亡原因となる一酸化炭素ですが、換気の行われていない締め切った室内で石油・ガスストーブ・コンロなどを使うと濃度があがります。色やにおいがなく、酸欠など死亡率の非常に高い急性中毒を引き起こします。
二酸化炭素(CO2)
ヒトの呼吸、料理などの火の使用、石油・ガスファンヒーターなどを使用すると排出されます。二酸化炭素濃度は、室内の空気がどれくらい汚れているかの基準となっています。濃度があがると息苦しさ、めまい、吐き気、頭痛など様々な症状が出てきます。
ホルムアルデヒド
建築資材に使用されている化学物質で、目・鼻・喉など粘膜を刺激します。
平成15年の改正建築基準法で使用面積や換気の設置が義務付けられましたが、シックハウス症候群の原因のひとつになっています。
ハウスダスト
室内にある、1mm以下の目に見えないチリの総称。ダニの死骸、カビ、細菌、花粉、繊維クズなどさまざまな物質が含まれます。ほんのわずかな気流で空気中に舞い上がってしまうため、換気のない室内ではハウスダストを吸い込みやすい状態に。
喘息やアレルギー性鼻炎、シックハウス症候群の原因にもなる身近な汚染物質です。
現代の住宅は換気が必須――気密性の高さによるメリット、デメリット
最近の家やマンション、オフィスなどは、気密性に優れています。
窓やドアの気密性が高い家は、隙間風などが少ないため気温が一定に保ちやすくなります。
冷房・暖房が効きやすくなるので、電力を抑えられ省エネにも繋がります。
また気密性の高い部屋は、音が伝わりにくくなり遮音性が高まります。
外からの騒音が少なくなる、室内からの音が漏れにくくなるなど、マンションなどで暮らす現代のライフスタイルにはメリットも多くあります。
しかし、定期的な換気を意識して行わないと、空気と共に汚染物質が留まりやすくなってしまいます。
実際に、ホルムアルデヒドが原因と思われる“シックハウス症候群”は、高気密の住宅で起こりやすいと言われています。
換気をするタイミングは、どうやってチェックする?
室内の空気の汚れを測る基準は、二酸化炭素の濃度です。
外気の空気中の二酸化炭素濃度は通常410ppmとされていて、室内では1000ppm以下が基準値となっています。この基準値を越えると、換気不足となります。
換気により室内の二酸化炭素濃度を1000ppm以下に保つために必要な空気の量は、『必要換気量』と言います。
『必要換気量』は
•部屋の面積
•その部屋で活動する人の数
によって変わります。
また、同じ広さ・人数であっても、冬場ではファンヒーターなど二酸化炭素を出す暖房器具の有無でも大きく変動します。常時稼働する換気システムのない室内では、一般的に1時間に2回以上、窓を開ける換気方法が推奨されています。
他にも、二酸化炭素濃度(CO2濃度)モニターを置き、1000ppm以下をキープできるようチェックするのもオススメです。
冬場の換気で大切なものは?
withコロナによって『換気』は新たな習慣として生活のなかに取り入れられました。
しかし冬場は「室内の温度が下がる」「エアコン等の暖房器具の電気代が気になる」といったデメリットを気にする人が多いのも事実です。
この2点をできるだけクリアしながら、上手に効果的に換気する方法をチェックしてみましょう。
室内の温度は保ったままで――エアコンを上手に使う
エアコンは切らず、室内を暖めてから換気すると室温が下がりにくくなります。
適切な温度は、一般家庭では18℃以上。高齢者のいる家庭では20℃以上です。
外出から帰る時間に合わせて、エアコンのタイマーを使い室内をあらかじめ暖めておくのも効果的です。
適切な湿度は感染対策にも――湿度の確認も忘れずに
感染症対策として忘れてはいけないのは、湿度。空気が乾くと室温が下がりやすくなるだけでなく、ウイルスやハウスダスト等が舞い上がりやすくなります。
加湿器や濡れたタオルを部屋干しするなど、湿度は40%程度で保てるようにしましょう。
温度・湿度計は手頃な価格で入手しやすいので、部屋ごとに置いておくことをオススメします。
温度を下げないように『換気』する方法
『換気』は室内に空気の流れを作ることが重要です。
窓やドアなど二か所の出入口を開けることが効果的とされています。
冬場の『換気』では、エアコンに近い窓を開けない、窓を小さく開ける、換気時間と間隔を短くする、空気清浄機を併用する、などの一工夫で室温を下げにくくできます。
室内と外の温度差が大きい冬は、夏場のように大きく窓を開けなくても空気の流れができやすくなります。
冬場にオススメ、二段階換気とは?
あまり聞きなれない換気方法ですが、“二段階換気”というものがあります。
まず人のいない部屋や廊下の窓・玄関などを開け、いったん外気をいれます。
しばらくたってから、人がいる室内の空気と入れ替えることで、冷たい外気に直接さらされることなく換気できます。
窓以外にも、室温と換気に関係するチェックすべきポイントは?
ワンルームや窓が同じ壁面に並んでいるなど、空気の流れが作りにくい部屋の場合――レンジフード(換気扇)を回すことで換気効果がアップします。
窓が二か所あっても同じ方向にある部屋では、窓の両端を少しずつ開けることで空気の流れを作れます。
省エネと換気効果のためにメンテナンスは重要!
冷暖房どちらでも必要なのは、エアコンのメンテナンス。
毎日使っている場合は、2週間に1回程度のフィルター掃除がベスト。定期的なフィルター掃除は、暖房使用で約6%ほど消費電力が削減できると言われています。
また、窓開けの際に網戸を使う場合は、網戸にホコリが詰まっていないかもチェックしましょう。
マイクロファイバークロスなどで網戸の外側を軽く拭くだけでも、細かなホコリが取り除けます。
空気に流れをつくり、部屋のなかの空気を外の空気と入れ替える――たったそれだけで、室内にあるさまざまな汚染物質を排出し、薄められます。
寒い季節でも『換気』をしっかり行うことで、感染症対策と健康維持を心がけましょう!