アルコールチェックが義務化されます~必ず必要なアルコール検知器を購入するときに、知っておきたいこと
2022.09.21
業界コラム
2022年4月、10月の2回にわけて道路交通法が改正されました。
以下のような条件にあてはまる営業所・事務所・店舗などは、運転を行う前後に安全運転運転管理者によるアルコールチェックが義務化されました。
会社(営業所・事務所・店舗)ごとで、どちらかの条件にあてはまる
・白ナンバーの営業車(社用車)を5台以上所有
・定員11名以上の車両を1台以上
(※大型自動二輪車・普通自動二輪車は1台につき0.5台とカウント)
さらに2022年10月以降は、目視での確認・1年間の記録保存に加え、アルコールチェッカー(検知器)を使っての確認が義務化されます。
初めてアルコールチェッカーを導入するとき、どのようなポイントを知っておくべきか、どんな特長や使い方なのかを、まとめてみました。
――アルコールチェッカーを導入する前に――
アルコールチェッカーは、多くの会社から発売されています。
価格帯や形状、機能などもさまざまなので、どれを選べばいいか迷ってしまう時にチェックしたいポイントをあげてみました。
法改正直前には需要が高まり、すぐに購入しづらい状況になる場合もあるので、早めに準備しておくことをおすすめします。
アルコールチェッカーの種類と特長を比べる2つのポイント
【形状】
・固定タイプ
卓上据置きタイプで、サイズが大き目のものが多い。
検知性能が高い、確実なアルコールチェック(確認者の前で各個人がチェックを行える)ができる。
機種によってチェック結果を機種によっては記録を本体やWEB上に保存できるものもある。
価格・メンテナンス費用等の導入コストが高いが、長期間安定して使える。
チェックする対象人数が多い事務所・店舗などに取り入れられることが多い。
・携帯タイプ
小型タイプのアルコールチェッカーで、持ち運びができる。
据置機として事務所・店舗に置いておくことも可能で、機種によっては記録を本体やWEB上に保存できるものもある。
種類によって、機能や検知性能、メンテナンス方法・耐久度(使用期間の制限など)が変わってくる。
価格的に固定タイプよりも安く、小さな事務所や店舗に導入しやすい。
・簡易携行タイプ
最も小型タイプ(ポケットサイズ)で、価格もかなり安い。
各個人で携行できるため、感染症対策がしやすい。
デメリットとしては、アルコール以外のものを誤検知する可能性があること、使用回数・期間に制限がある使い捨ての製品であること、数値を測るだけの機能しかないので記録を手動で行わなければならない。
【測定方法と記録方法】
〈測定方法〉
測定方法はこのような方法のものがあります。
コストや検知性能などと合わせて、どのタイプが使いやすいかを検討しましょう。
・吹きかけ式
本体の検知センサーに直接息をふきかける。
手軽でコストがかからないが、周囲の空気の影響を受けやすい。
・ストロー式
本体の差し込み口にストロー(使い捨て)をつけ、息を吹きかける。周囲の空気の影響を受けにくく検知性能が高い。ストローは市販のものが使用でき、コストは比較的安い。
・マウスピース式
本体の差し込み口に専用マウスピース(使い捨て)をつけ、息を吹きかける。周囲の空気の影響を受けにくく検知性能が高い。マウスピースは専用のものが販売されていて、コストはストロー式よりもやや高い。
〈保存方法〉
アルコールチェックの結果は、必ず保存が必要です。
毎日行う業務でもあるので、どういった保存方法があるのかを調べておくのは重要です。
・保存機能なしタイプ
測定結果の保存機能がないため、ノート等に手書き、管理ソフト等に入力・保存する必要があります。
・プリントタイプ
測定結果が印刷された用紙が、検知器本体からプリントアウトされます。記録された日付や個人名などがわかるようにして保存が必要です。
・本体保存タイプ
検知器本体に内蔵されたメモリーやSDカード等に測定結果が記録されます。結果のデータを移動させてPC上での管理できます。
・専用ソフト使用タイプ
検知器本体と専用の管理ソフトを連動させて、PC上で測定結果を管理できます。記録を管理するのに便利ですが、専用管理ソフトの購入などコストがやや高くなります。
・PC接続タイプ
USBなどを使用し、検知器本体の測定結果をPC上に直接保存することができます。
比較的手間がかからず、対応している機種も多い保存方法です。
・クラウド保存タイプ
スマートフォンアプリ等と連動し、測定結果をクラウド上に保存できます。リモートワークや出向先からの測定結果を確認でき、管理・保存がしやすい方法です。
――アルコールチェッカーを使うときは――
アルコールチェッカーを導入した後は、正しく測定することや、機器が故障していないかなどの日常的な点検も重要です。
正しい測定を行うために知っておきたいポイント
アルコールチェッカーは、ビールやチューハイ・日本酒といった酒類以外のアルコールも検知します。
微量にアルコール成分が含まれたものや、検知器が反応しやすい飲食物はどんなものなのかを知っておきましょう。
【酒類以外にアルコールチェッカーが検知しやすいもの】
・ノンアルコールビール(「アルコール0.00%」表記のもの以外)
・エナジードリンク、栄養ドリンク
・キムチ、味噌汁などの発酵食品
・歯磨き粉
・マウスウォッシュ
・ミント系を含んだガムなど
・喫煙後すぐ
・点鼻薬などの薬剤
酒類以外の飲食物や口腔ケア用品、喫煙後すぐのチェックでアルコール反応が出た場合
うがいを行う
20~30分時間をおく
といったことを試して、もう一度チェックしてみてください。
【前日のに飲酒したアルコールが抜け切れていない】
もう一点注意したいのが、前日に飲酒したアルコールが抜けていない場合があること。
アルコールを分解するスピードは、飲んだ量・体重や体質(お酒に強いか弱いか)・その日の体調によって大きく変わります。
飲酒して10時間以内、体調がすぐれない時などは、特にアルコールが体内に残っている可能性が高くなります。
アルコールチェッカーが反応した時は、前日の飲酒量や体調、飲んでからどれくらい経過しているのかも確認することが大事です。
日常的な点検で、故障がないかをチェック!
アルコールチェッカーは精密機器です。
固定タイプ・携帯タイプ・簡易携行タイプといったどの形状の検知器でも、保管方法や使用期限、メンテナンス方法を必ず守って使いましょう。
そのうえで日常的な点検も行って、故障がないかを確認することも義務付けられています。
【正しい日常点検】
・本体に損傷がないかを目視で確認する。
・電源がきちんと入るかを確認する。
・正常呼気(アルコールが含まれていない息)をふきかけ、反応が出ないことを確認する。
・アルコールを含んだ呼気(管理者がアルコールを含んだマウススプレー等を口に含む)をふきかけ、反応することを確認する。
・正常呼気とアルコールを含んだ呼気で確認したあと、もう一度正常呼気をふきかけ、反応が出ないことを確認する。
・日常点検を行った結果や日付を記録しておく。
【メンテナンスが必要な理由】
アルコールチェッカーのセンサーは、使用するごとに劣化していきます。
一度購入すれば半永久的に使えるものではありません。検知器ごとに使用回数・期限が定められているので、購入の際に必ず確認してください。
使い捨てタイプでないものは、アルコールチェックの精度を維持するために、メーカーからの定期的なメンテナンスや修理・交換、点検を必ず行いましょう。