TERAMOTO くらしとterakoyaコラム

ゴミ箱はいつだって進化している~江戸から現代まで人々の暮らしに寄り添うゴミ箱事情~
2020.02.19 お掃除コラム

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あなたの家に絶対にひとつはある――そう言われて思い浮かぶものはなんでしょうか。
いろいろ浮かんだなかに、ゴミ箱はありませんか?
お部屋のなかにはインテリアに馴染んだ素敵なデザインのものがあるかもしれませんね。
一週間のゴミを集める大きなゴミ箱があるご家庭もたくさんあると思います。

可燃ゴミやプラスチックに資源ゴミ……毎週何曜日に出しましょうという地域からのお知らせが家のなかに貼ってあるのを目にしたことはありませんか?
今では当たり前になっているゴミの収集方法。
実はこの制度が始まった背景には、日本にとって大きな転換となった出来事がありました。

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江戸から戦後まで~昔はどんなふうにゴミ処理していたの?

まずは大きく時代をさかのぼって、江戸時代。
当時の江戸は、ロンドン、パリ、北京といった世界の列強国の大都市とならぶ人口密度でした。江戸の人々は紙や古着といったものをリサイクルし、大事に使うという生活をしていました。しかし生きていくうえで避けられないのが生ゴミです。

現在のような収集システムがなかった当時は、生ゴミは川や空き地などに捨てられ、不衛生な状況が続いていました。明治に入りゴミ収集が行政の管理下に置かれるまで、たびたび伝染病が流行したそうです。
ようやく始まったゴミ収集の仕組みと、第二次世界大戦に伴う物資不足によるゴミの量の減少を経て、戦後の日本は再びゴミ収集の問題と向き合うことになります。

戦後の復興がもたらしたもの

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戦争を終えた日本は、大きな経済発展に向けて踏み出します。
ドラマや映画で「集団就職」といった、中学や高校を卒業したばかりの若い男女が就職のために上京する場面を見たことはありませんか?
戦後の日本は高度成長期を迎え、地方から都市部へ一気に人がやってきました。こうして人口の集中した都市――とくに東京では、ゴミ収集が追い付かなくなります。

戦中から戦後にかけての日本は、各家庭の前に「塵芥箱(じんかいばこ)」という木やコンクリートで出来た備え付けのゴミ箱がありました。
今でも古い家屋が残る場所では、当時のままの塵芥箱が見られますが、家庭ゴミはそこに溜められ、大きな手車を引いた収集人が直接ゴミを手で集めていたそうです。
人力での収集は行動範囲もせまく、当時のゴミ収集は月に2、3度程度な上に不定期でした。1960年頃になると、ついに東京都では1日7000トンものゴミ処理が必要となり、社会問題にまで発展していきます。

1964年東京オリンピックと共に生まれた新たなゴミ箱

昭和30年代後半、日本に訪れたビックニュース。それは「東京オリンピックの開催決定」でした。
当時の日本にとって、戦後の焼け野原からたちあがった姿を世界に広めることのできる、空前絶後の機会です。

しかし、舞台となる東京では、ゴミ処理の大きな問題がたちはだかっていました。
世界の人々を迎えるにあたって、各家庭の前にたまっているゴミの山は、衛生面でも見た目の面でも何とか解決しなければなりません。
オリンピックを4年後に控えた1960年。東京都は、来日中だったニューヨーク市清掃局長からヒントを得て、新たな収集方式を考えました。当時のニュ―ヨークでも採用されていた、各家庭に持ち運び可能なゴミ容器を備え、決まった曜日・時間に収集するという方法です。

東京都は企業と共同で新たなゴミ箱を開発し、今では当たり前のように見かける「フタつきのポリエチレン製ゴミバケツ」が生まれました。
東京都はまず杉並区をモデル地区として、この新しいゴミバケツを使用し、定時収集する方法を採用しました。現在のようにビニール製のゴミ袋が普及していない時代に、フタつきで密封でき、女性でも両手で持ち運びできること、そして簡単に水洗いできるこのゴミバケツは好評でした。また収集する人も直接ゴミに触れることなく一気にトラックへ乗せることができるため、手間がずいぶん省けたそうです。
こうして新たなゴミバケツと、現在のゴミ収集の基礎となった収集方法は東京都から全国へと広がっていきました。

時代とともに進化してゆくゴミ箱

ビジネスマンとゴミ箱
ビジネスマンとゴミ箱

1964年の東京オリンピック開催とともに推し進められてきた「日本の美化運動」は、家庭ゴミ収集の利便性を高めました。
しかし、高度成長期がもたらした家庭ゴミと並ぶもう一つのマイナス面が、公害です。今まではなかった生ゴミ以外のもの……家電やプラスチック等処理が難しいゴミの増加、焼却施設を増やしたことによる空気汚染などは避けては通れません。

こうした様々な問題を解決するため、リサイクルやゴミの分別に関する法律も定められました。
家庭内のゴミ箱も様変わりし、ひとつの大きなゴミバケツに溜めるのではなく、ゴミの種類によって分けるタイプが多く使われるようになっています。
戦後の東京オリンピックの時に生まれた「フタつきでお手入れしやすいゴミバケツ」は、時代やライフスタイルの変化とともに様々な形に変化していきました。

最新の“スマート”なゴミ箱事情

どんどん便利になっていくゴミ箱ですが、「スマートゴミ箱」と呼ばれる最新技術が使われているものがあることはご存知でしょうか。
大きくわけて「スマートゴミ箱」は2つの便利な機能がついたものです。

まずは赤外線センサーや蓄電池を用いたもの。例えばゴミを捨てる時にフタが自動で開くものは、商業施設などでもよく見られます。
ボタンひとつで自動的にゴミ袋を密封・新たなゴミ袋のセットまでしてくれる家庭用ゴミ箱の開発があるとか。まだまだこういった機能がついているものは少ないですが、ゴミ捨てのいろいろな煩わしさを自動化によって解消してくれる便利なゴミ箱が増えていくかもしれませんね。

そしてもうひとつの「スマート」……それはIoT(アイオーティー)化です。

IoTゴミ箱が、日本の新たな問題解決のキーワードに

IoT(アイオーティー)とは、『Internet of Things』の略で、身の回りにあるものをインターネットにつなげて、より便利にしてゆくというものです。
例えば外出中にスマートフォン等を使って家のエアコンの温度操作をする、料理器具をネットに繋いで新たなレシピをダウンロードするなど、IoT化はどんどん身近になってきています。
そんなIoT化が、昨今の日本を悩ませるある問題解決のキーワードになるかもしれません。

近年、海外から日本にやってくる旅行客は急増しています。そんな外国人旅行者が最も困るというのが「街中にゴミ箱がないこと」だそうです。
駅や商業施設、コンビニエンスストアなどに備え付けられているゴミ箱以外は、誰でもゴミが捨てられる「街のゴミ箱」……確かにあまり見かけませんね。
テロ対策で撤去されたゴミ箱は、透明な容器で中身が見える状態のものに交換され、使用されています。しかし街中のゴミ箱が増えない理由のひとつに、ゴミ回収のコストの高さがあるそう。家庭ゴミと違いどの場所でどれくらいの量のゴミが発生するのか予想がつきにくく、定時回収がしにくいのです。

ゴミ箱を設置したものの回収が間に合わずゴミで溢れてしまうと、付近のポイ捨てが増えるというデータもあります。
そうならないよう、街のゴミ箱の内容量を把握するために、IoT化されたスマートゴミ箱が注目されています。
ゴミ箱の内蔵センサーがゴミの量や種類を計測し、そのデータをもとに回収業務の効率化を図るというシステムです。
大規模な商業施設や大学のキャンパスなどで実証実験が始まったばかりですが、この最新機能のついたゴミ箱が、日本のゴミ問題の新たな解決方法に生かされる日も近いかもしれません。

オフィスや学校におすすめ【トラッシュボックスFTシリーズ】

働き方改革やコロナ禍による新しい生活様式の浸透に伴い、ゴミ箱の選び方も変わってきています。機能性や安さだけでなく、気分を高めるおしゃれなデザイン、安心・安全につながる清潔感があるゴミ箱が選ばれるようになってきました。

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